2005年09月25日(日)

The angel came:こんにちは

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それは自分の母親が傍でいろいろ面倒をみたり
なにかと動けない体の手伝いを気兼ね無くしてもらう
ためだと理解しているのだが、うちの嫁の場合、その時期実家に帰ったが、母親は交通事故で入院してしまったところだった。
だから実家にもどったが、父親が馴れない事を遠慮しがちに手伝って
いたのが現状だった。たしかにこんな状況は世の中一杯あるだろうが
もともと帰って母親に助けて貰おうと思っている者からすると、
突如母親がいない状況は多少の不安があっても仕方が無い。
そして私は延ばし延ばしにしていた名古屋への出張が、これ以上延ばせない状況になり、不安ではあったが、行かざるおえなくなった。
当時は携帯電話がなく、日中すぐに状況の確認ができなかった。そのため
出張中1日5~6回、公衆電話を探しては嫁に電話をしていた。
もし出産という状況になれば、すぐに帰るからと嫁にも義理の父にも告げて
出張にでかけていた。
出張最初の2・3日はなんの変化もなく過ぎて行ったが、9月29日午前3時!
に泊まっていた旅館に電話が入った。旅館の敬愛する“おかあちゃん”が部屋に来て
「家から電話やで早くでて!お義父さんから!」
「はっ、はい!」
“いよいよかぁ”と心のなかで呟いた。そのとき時間が何時かは気にかけなかった。
「〇〇君か、大変や!どうも“破水”しよったんや!!ものすごい量の水みたいなもんだしよった!!今から急ぎ病院につれていくわ!」
「えぇー大丈夫ですか、お願いします、すぐに帰りますから!」
と向こうも男で良くわからないし、私も状況がまったくわからなかった。
それよりも、めちゃくちゃあわてた“もう、すぐにうまれるんだぁ”と完全に思いこんだ。
そして旅館の“おかあちゃん”に事情を説明すると
「心配無い!すぐには生まれんから、朝一番の新幹線に乗っても十分おつりが来るくらいよゆうがある」というが、
私は「いっいや、すぐに車とばして帰ります!」
「こんな時間に寝不足であぶない!私は4人も子供生んでる、孫の出産も10人みている、大丈夫!」
「でも!嫁ともお義父さんとも約束しましたから、とにかく今から帰ります」
と心配する“おかあちゃん”を振りきり、急ぎ服をきて車のエンジンをかけた、たしか午前4時前だったと思う。
名神高速を走っているとき、もう生れたんじゃないだろうかとか、何かあったんではないだろうかとか様々なことが走馬灯のように頭の中を駆け巡った。気づくと140キロくらいのスピードで爆走していた。
1時間半くらいで京都に入り、一路産婦人科に直行した。産婦人科の前についたときは午前6時前でもちろんあたりは薄暗かった。入り口のドアに手をかけると鍵がしまっており開かない。そこで仕方なくドアをドンドンと叩いたが中から反応がない。しばらくして中が明るくなり看護婦らしき人がでてきた。
「どういったご用ですか?」
「どういったっご用って、さっき運ばれたものの夫ですが」
「あぁ、破水された、大丈夫ですよ、いま寝てられますから」
「なか入っていいですか?」
「えぇ」
ということで病室に入ると、たしかに大丈夫であった。
「お義父さんは?」
「まだまだ時間かかるらしいから、いっぺん家にかえった。」
「あっそうか。。。」
「時間かかるってどのくらいかかるの?」
「たぶん今日のお昼くらい。」
“おかあちゃん”の言ったとおりだった。。。。。しかし本当にすぐ生れると私は思ったし、
「ひっしのパッチ!」で名古屋から飛んできた。大体出産のことなんかわからないし、今だと夫婦で出産とかいうことで分娩室にも旦那が入るのが常識みたいだが、私は一切そう言った事には立ち会うつもりもなかったし、嫁も自分一人で生むという強い意思があった。
どれくらい時間が経っただろうか、うとうとしていると突然さわがしくなり目を開けると、嫁がよろよろと看護婦に支えられ立ちあがっていた。
「おっおい!生れるのか?」
「うん、きたみたい」
「おぉ、がんばれよ!」
「まかしといて!」と分娩室に消えて行った。
分娩室の前で私の母親、嫁のおばあちゃんと私でソファーに座ってまっていた。お義父さんは仕事のため仕方なくその場を離れた。
なにげなく上をみると、ブルーとピンクのランプが設置されていた。この産婦人科は医院長の考えで男女を教えてくれないので、“生れたときの男女の合図かなぁ?”と思ったが、まさかそんな冗談みたいな事はしないだろうと意識から消えた。
そして1時間後
「おぎゃー!」と元気な泣き声が聞こえ、ピンクのランプが点滅し“女の子です”と表示した!“やっぱりやるんか!”と冗談はさておき、とにかく生れた。
「おぎゃー」。。。涙が止めど無く溢れてきた。理由なんかない、とにかく涙がでてきた、私も私の母もそして今は亡き嫁のおばあちゃんも!三人して泣いた。
分娩室が開き「中に入ってください!」
三人あわてて中へ、三人とも同じだったと思う「五体満足か!」
気持ちをわかってるお医者さんが「大丈夫ですよ健康です!」とにっこり答えてくれた。
その後はじめて抱かしてもらった。
ちっちゃくて、華奢で、目は見えないだろうが、でもしっかりとこっちを見つめてくれた。
私は滲む視界でしっかり見つめかえした。
“こんにちは”。。。。。。

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