2008年11月22日(土)
やさしさ
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「もう!分かってるわ!そんなこと、ちゃんと習ったし!」
ドドドドドドドドドドドド
と、、2階に上がるU君。。。
ちょうど私が家に帰りドアを開けた瞬間の風景である…
・ ・なんじゃ??…
居間にいる嫁に尋ねた。
「ただいま、、、なんや今の??」
「あぁ、U君にあしたのこと、、ちょっと・・」
「明日のこと??なに?なんかあんの。。」
「うん。あした学校から障害のある人が働いてる施設にいくの。」
「へぇ~、、、それで?なんであいつ怒ってるの?」
「ほら、、あの子、、あんまり空気読めへんやん・・だから、明日行くところの
こと確認してたん。どう言うところか、どう言う人達がいてはるかとか・・」
「ふーん。まぁ、、あんまり、、というか全然空気読めへんわなぁ・・あー
この間も、叱られてる最中に“チョケて”先生に思いっきり叱られて泣いてた言うやないか!」
「そやねん。だから、身体の悪い人とか、ほら色々やはるやろ、そんな中で
冗談なんか普通はせえへんけど…U君の場合、、、なっ…」
「あー、、それで!」
「そう。そしたら、、偉そうに“バカにすんな!”みたいな勢いで、ちゃんと習ったからいちいち言うな!みたいな感じでさっき2階に上がっていったんや。。。」
「ふーん・・分かってる??・。。」
「そやろ・・なんか不安やろ?」
「確かに・・」
自分を振り返ると、そんな教育機会は小学校時代には無かった。
じゃ、どこでそういう事に少年時代向き合ったのか??
私にとってその機会は意外と身近にあった。
それと未だに少し苦い思い出がある・・
私の住んでいた所は100メートルくらいの道路の両側に建売の家が
並ぶ、当時の典型的な新興住宅街であった。
不思議なことに、その100メートル道路に向き合う大半の家に年齢の近い
子供の兄弟がおり、特に私には同級生が多いときで5・6人存在したのである。
その中で女性の同級生Kさん宅の弟T君が障害をもっていた。
身体が悪いわけではない。所謂、知的障害であった。。。。。。
今もそうだが小学校は集団登校だ。
当然同級生の彼女と弟のT君は私と同じ通学班で毎日
一緒に学校まで行っていた。
じゃなにかあったか?というと別段なにかをした訳ではない。
もともと会話が噛み合わないから、喋るといっても言葉をキャッチボール
する訳ではない。彼が一方的に質問をしてくるのだが、同じ事をなんどもなんども
聞きかえしてくるのだ。
だから正直子供心に鬱陶しかった。
“こいつ聞くけど、聞いてどうするんや?結局理解してないやん”
だから敢えて彼の興味の対象になるようなことを彼の前でしなかったし
仮に喋りかけられても、ひどい時には聞こえないフリをしたりしていた。
子供は残酷である。
彼は学校では違うクラスにいた。
障害のある子ばかりが集められた学級だった。
だから朝は一緒に登校しても、その後の日常で彼と接触することは
まぁ、なかったのである。。
しかし、学校で遊んで家に帰る夕方頃、母親が家の垣根に水をやったり
している傍にT君がいた。
ほとんど毎日だったような記憶がある。。
その二人の横を“ただいま”と言って通り過ぎ家に入り
お菓子食べたり、テレビ見たりとなるのだが、なかなか母親が外
から家に入ってこない。一度外を覗くと、私が帰ってきた時と
同じ風景がそこにはあった。
延々とT君が母親に喋りかけていて、それを母親がずっと答えているのである。。
ある時、母親に聞いた。
「なぁ、なんでさぁ、あいつの話ずっと聞いてるの?」
「あいつて?」
「T君。」
「なんで?だって喋りかけてくるから。」
「でもさ、あいつって人には聞くけど、答えてもまた同じこと聞いたり
するやん?」
「だから?」
「だからって・・腹たたん?邪魔やない?」
「別に?じゃ、あんたなんで話聞かへんの?」
「だって、おんなじことばっかり聞いてくるし、
答えても分かってへんやん、、、どうせ。。」
「そういう子やんか。」
「そういう子やけどさ、、なんで?」
「そういう子やから、そういう風に話してるだけや。
邪魔やないし、ちゃんと聞いて分かってるよ。毎日
おんなじ事聞いてこないし。聞いたら自分のこともちゃんと
話してくれるよ。あんたあの子のこと聞いてあげたことある??」
「う、、、ない。。」
「ほら、、、聞いてみ、そしたらちゃんと、今日こんなんであんなんで
って答えるよ。ただ、あんたの友達みたいにポンポンって言葉が帰って
こないけど、、ただそれだけやん。。。。」
「。。。。うーん、、、もうええわ。。」
私は正直、彼に対する印象とは
普通じゃない子。
だから自分より絶対的に“下の存在”。
そういう見方であった。
でも、もう一つの見方もあった。
あまりにも弱いから手出しできない…・
その二つが混在していた。
しかし、ある時、あからさまに“からかった”。
友人と。。
しつこく聞き返す会話に付き合った。
あえて意地悪な感情を押さえずに
延々と彼の会話に付き合った。まともに付き合った
訳ではない。からかいながら答え、次から次から答えた
適当なことを・・茶化しながら。。
“どうせ分からんから、どんな事思うのやろ“こいつ”
“へへへへ、あほ!”
と言うようなあからさまな悪感情であった。
しかし、どれくらい続いた頃か
彼が
泣き出した。
正直、私と友人は度肝を抜かれた
えっ…
沈黙がながれ
そののち
T君は泣きながら、トボトボ家に帰った。。
しまった・・
と思ったが、家に帰りことの次第を母親に!なんて
到底できないから、黙っていた
が、T君のお母さんから母親に話がいった。
母親とT君のお母さんは仲がいいし、当然近所であるから
毎日顔を合わせ会話もする。
なにを言われ怒られたかそのときですら覚えていないくらい
強烈に怒られた。
ただ怒られただけではなかった。
泣いて怒られた・・
ほとんど覚えていないのだが、今でも鮮明に残ってる言葉が
「あんたー!自分の妹がT君みたいやって、あんたがしたこと、妹が受けたらどう思う!どうする?そんなことも分からんのかぁ!このアホぉ!あの子があんたらみたいになおるわけちゃうんやで、あのこはずっとそういう子なんやで、、YちゃんもKさんもあの子もそんなこと望んでなったんちゃうんやで!なんでわからへんのぉー!バッシッ!」
一発、、強烈に叩かれた…・・
Yちゃんとは私と同級生の女の子である。
弟がそうだからか、もともとそういう子なのかは分からないが
とても気の強い女の子だった。
小さい頃は殴り合いの喧嘩までした。。
。。。。。。。。
涙が出てきた。
悪いことをしたからの涙
そういうのとは違った
ただ単に怒られて
泣いたような気がする。。。
「Yちゃん泣いたはったらしいで!謝ってき!」
謝った。T君もYちゃんも玄関にはいなかった
おかあさんがいただけである。。
おかあさんが
「いいから、、いいから、、また仲よぉしたってJ君。。」
そう言われたときに涙が
落ちた。。。
なんかわからないけど。スッと涙が出てきて・・
泣いた。。
翌日、通学班で顔を合わす。
当然、Yちゃんは一物もった雰囲気。
だけど、T君は
本当は謝らないといけないのだが…
黙っていたら
T君から
いつもの質問攻めをしてきた。。
昨日のことが
まったくなかったように
いつもと同じように
しかし、、ドギマギした。。。
突然、悪かったと、自分の母親みたいに
話を聞き“良い子に変身”することもできない…
かといって昨日の今日、無碍な態度も取れない
なんか硬直した。。。
そんな自分が
実に恥ずかしかった。。
……・・
そんな事が
ずっと昔にあり、私の記憶に残っている。
もう年数が経っていろんなことがあり
ちいさな記憶の存在になったのだが、、、
しかし、いまだ
鮮明に残る
消えない、、シコリでもあった・・
。。。。。。。。。
U君が障害者の施設に行くと聞いた時
分かってる!と母親に答えたこと
それらが、遠い記憶を呼び起こした。。。。
U君どう感じるのかなぁ???
バカやらなきゃいいけど・・
翌日、帰宅してU君に聞いた。
「今日、どうやった?」
「どうやったって?」
「ほら、障害のある人のところ行ったんやろ?」
「うん。。。」
「うんって、、どんな事したん?」
なかなか答えようとしない。
それどころか面倒臭そうに
「パパ、、なんでそんな聞くの?俺なんにもしてないし、先生にも
怒られてへんで??」
「違うよ、誤解するな、ただ興味があるんや」
「興味?」
「そうや、なぁ、だから教えてくれ。」
「ふ~ん、、一緒に仕事した。」
「へぇ、どんな」
「なんかシール貼ったり…」
「そうか!喋ったんか?」
「うん」
「どんな人?」
「足の悪い人」
「どんなこと喋った?」
「野球」
「野球してた人か?」
「うん。」
「それで君もって聞かれた?」
「そう!」
「それで?」
「野球がんばりやって言うてくれはった。。」
「へぇー幾つくらいの人??」
「うーん。。パパくらい。」
「そうか・・それから」
「一緒に散歩した…」
「それで、喋った?」
「そこでは喋らんかった。。」
「なんで?」
「えぇーだって。。。」
「そうか・・それでU君はどう感じた。。」
「どう感じたって?なにが?」
「なにがって?今日のこと」
「別にないよ。」
「ない???なんかあるやろ??なぁ?」
「。。。。。。。。」
ちょっと恥ずかしそうである、、自分の感じたことを話すのが。。
しばらく考えていた。
「優しい…」
と聞こえたが、、その後はグニュグニュ、、、、よく聞き取れなかった
のだが、こういうことやろ!的に、、
「そ、そうか!やっぱり優しくせなあかんという事やな!」
と勝手にというか、なんとか自分の子が良い子であるように
と願うように誘導してしまったのだが、、、、
あにハカランや!帰ってきた答えは
「ちゃう!」
「えっ、、、ちゃう??ちゃうって、、じゃ優しい…って??」
「おっちゃんらや。」
あぁ!
障害のある人が、、、、、、、、か…
「あっ」
あの遠い日
シコリが残るあの日
…・・
翌日なにもなかったように
モジモジしていた私に
話し掛けてきたT君
確かに
優しかった。。。。。。
謝ることもできず
ウヤムヤにしてしまった
あの日。。
それでも
T君は
元通りにしてくれた・・
そんな
そんな大事なことを
何十年もたった
今ごろ気づく
大バカな
私であった。。
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投稿者 junca 23:57 | コメント(0) | トラックバック(1) | 子供
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