2008年05月17日(土)
野球の神様からのプレゼント 
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家に帰るなり、嫁から
昨日、5月16日の予定を聞かれた。
「うーん・・分からんなぁ??。。」
「そう・・」
「なにかあるの?そんな先に?」
「うーん、、実は、、」
と、その理由を聞かされた。
その内容とは、義理の父、嫁のお父さんから甲子園に行かないか?という誘いだった。
用意できるチケットは2枚。もともとU君を連れて行きたいための誘いだから一枚はU君。
もう一枚は?さてどうする?ということで嫁が私に聞いてきたのであった。。。
うーん!正直行きたい。。が、、、
「ところで、お前?甲子園って行ったことあんの?」
「ない。。小さい時、弟は連れて行ってもらってたけど、私は行ったことがない。」
「そうかぁ!じゃお前行けや!俺が行っても義理父さん気ぃ使わはるし、、お前が行った方がええわ!俺は行ったこともあるし。。」
「そうぉ!」
という事で決まった。
本当はだいぶ前からU君にはプロ野球を見せてやりたかった。特に少年野球を始めてからは、連れていってやりたいと言うより、本来は連れて行かなくてはいけないような気がしていた。
が、忙しさにかまけ、なにより今やプラチナチケット、そうやすやすとは手に入らないと聞く。パリーグ、オリックスvsロッテとかどうや?と以前提案したことがあったが、、ケンモホロロに馬鹿にされた。。。
当たり前だ。。、、
やっぱり阪神タイガース!これに限る!
タイガースこそがプロ野球!
プロ野球とは阪神タイガース!
見るべきは!甲子園で躍動する、タイガース!
まぁいずれにしても義理の父のおかげで、見せてやることができる。。
その話を聞かされたU君、大喜び!だった。
「ほんものの金本みれるのぉ!やったー!!」
それから数日後、やはり家に帰るなり嫁から
「なぁ、ちょっと聞いて!」
「なに?」
「今度甲子園行くヤン!そしたらU君グローブもって行く言うんやわ!」
「はははっは!俺も小さい時そうやったでぇ!ボール取るつもりやったから!ええやないかぁ!」
「そうなん?じゃ小さい子はもって行くんか。。。」
「そうそう!まぁええやないか、荷物にはなるけど、これも一つの野球少年の夢やから!」
「ふーん。。でもバットまで持って行く??」
「なっ、、なにぃ?バットぉぉぉっぉ!」
「そう!バット!俺、打ち返すねん!ファールボール!って言うて・・あかん言うても聞かへんねん。。それもやっぱり野球少年の一つの夢??」
「あほぉ!ちゃうわい!そんなやつおるかい!」
「そやろ。。」
「あたりまえや!」
という事で説得、、説得であった。。。。
私もグローブまでは考えたが、さすがにバットまでは・・・
この時点ですでに父親を軽く超えているではないか・・・・
この野球少年は・・
思い出すナァ!
初めて見たプロ野球。
オープン戦、今は無き近鉄バッファローズ対阪急ブレーブス!西宮球場でのダブルヘッター。。
これがはじめてだった。どちらのファンでもなかったが、初めて見たプロ野球は凄かった!
それから何度か連れていってもらった。甲子園にも行った。でも一番記憶に残っているのは、ちょうど今のU君と同じくらいの時にみた、京都西京極球場での大洋ホエールズ対阪神タイガースだった。これは所属していた少年野球のチームで見に行った。。。総勢確か20人位いたかなぁ。。
記憶に残っているといっても試合内容ではない。
試合終了後のことである。。。。
9回表になると回りにいた子供たち、我々のチームメンバーの一部も含め外野スタンドにいた子供たちが一斉に立ち上がり前のフェンスまでやってきた。。そして皆一斉にフェンスに登り始めたのである。
最初よく分からなかったが、あっ!と気付いた!!!
試合終了と同時にグランウドになだれ込むのだ!!そうかぁ!負けてなるかと私達も空いている場所を探しフェンスによじ登った!!
今ではあまり見る風景ではないが、9回になると外野スタンド前のフェンスはちびっこで埋め尽くされ、さしずめ小枝に群がるアリのような状態であった。。
試合終了!!
いけぇーーーー!と皆一斉にグラウンドになだれ込む。。
それと同時に警備員やグラウンドキーパーも出てきて、ちびっこ達を追いまわす。。
注意・警告アナウンスもガンガンに鳴り出す!
「グラウンドに入らないで下さい!」
しかし、そんなものは関係ない。警備員たちをかいくぐり、憧れに憧れた“タイガース選手”のベンチにまっしぐら!!
なんとかベンチにたどり着いたのだが、この日、阪神は負け、選手全員早々にグラウンドを後にしていた。。だから私達がたどり着いた時にはベンチはもぬけの空…残念無念。。。しかしこれで
めげる訳にはいかない!相手チーム、、大洋ホエールズのベンチを見ると、選手がいるじゃないか!この日の勝ち投手がインタビューをベンチで受けていた。
あれや!この際誰でもええわ!プロ野球選手を近くで見たかった。
行くぞぉ!おお!
という事で、必死になり大洋ベンチへ直行!
インタビューを受けてたのは、当時大洋ホエールズのエースだった
カミソリシュートの平松!背番号27!
その周りに新聞記者が取り巻いていた。とてもではないが正面からは見えないから後ろに回ると
平松の大きな背中、27番の背番号が目の前にあった。。。
うわぁぁっぁ!でけぇ!!
大きな岩の塊のようであった。なんと大きぃ。。初めて見たプロ野球選手はガリバーのようにデッカかった。。。足、、そうスパイクなんか見たこと無いような、巨大な黒光りのコッペパンの様に思えた。。
見たからどうということはないのだが、、誰かがその大きな背中を叩いた!
その瞬間、そう皆がたたき出した!
バシバシバシ!!訳も分からず平松の背中を叩いた!!
コノヤロー!
すると!コラッ!と怒られ一目散に逃げた。。。
そんな子供時代の思い出がある。
野球場には。。
薄暗くなり、ホワァーと照明が灯り、暗くなるにつれてグランドが綺麗に浮かび上がる
劇場、サーカスが始まるような、ドキドキするような。。何とも言えない緊張感が体を突き抜けた。
美しい劇場。それが野球場だ。
自分たちがやっている野球と同じとはとても思えない、選手たちのプレーは曲芸のように、美しく激しく、憧れなんて言葉を軽く超えていた。。テレビに噛り付いて見ていた掛布が目の前にいる。
テレビと同じ打ち方だ!
大きな大きな思い出だ。
次の日から数日“ごっこ”にあけくれた。あのシーンあの打球あの捕球。みんなで真似をした。
8回の掛布のあの打席や!お前平松、俺が掛布や、、ツウーツーからの一球!空振り三振!
あの時の掛布のスイングはこうや!それでヘルメットが落ちるんや!こんな感じ!
みんな順番に掛布をした。。あの当時の我々の大スター!ミスタータイガース!
三塁前ボテボテのゴロ。猛ダッシュで前に出てくる掛布。しかしランナーを見ると、もう2・3歩で一塁・・・あーーー!ヒットになる・・と思った瞬間、電光石火、火の玉のような送球がファーストミットに
アウトォ!!
震えた、、ブルブル震えた!
あの子供時分、神なんて言葉も意味も知らなかったが・・今から思うと神業だった。。
野球の神様が球場にいる。。
そう、プロ野球選手は万に一つ、いや、何十万、いや、何百万に一人選ばれた、、
野球の神様がほほ笑んだ存在。。。
でも、子供時分、自分もそんな存在になれるかもと夢を見た!
U君、、甲子園行ってどんな夢見るかな?神様に出会えるかな??
そして昨日、その日が来た。
残念ながらというか結局私は出張だったので、もともといけなかったのだ。早く帰り、野球中継を見て、甲子園から帰ってきたU君と今日のゲームを話しながらの反応を楽しみしていたのだが、週末で東京からの新幹線は一杯。結局、京都についたのは11時。家に帰るのは12時前。U君たちが甲子園から帰るのは11時位。帰ったらもう寝てるな・・・
ふぅー。。
家につき鍵を開けようとしたとき
ドドドドドドドドドドドドドドドド!と大きな足音
U君がカギを開けた。
「パパ!これ見て!」
見ると両手に硬球が二つ。
一つは金本の印刷のサインボール、しかしもう一つはなんだ?少し汚れてるけど??
「これな!おじいちゃんがファールボール取ってん!すごいやろ!!」
「へぇーーー!すごいなぁ!」
起きてまっていたみたいだ。。
このことを報告?いや自慢するために。。
私の目の前にボールを突き出した
ニコニコと報告してくれるU君の手にある少し汚れた硬球が
キラキラ光る、光の球のように見えた。。
そう
野球の神様からの
プレゼントのように見えた。。

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