2008年03月22日(土)
知らんふり 
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朝、といっても少し遅めに起きると、嫁しかいなかった。
U君は野球の練習、Kyoちゃんはクラブ。。
いつの間にか当り前の風景になった。
ほんの2年前までは休日は家族全員いたのだが、今は全員いることのほうが珍しくなった。。
昼ごはんを食べ、そろそろKyoちゃんが帰って来るかなぁ?と嫁と時計を眺めていた時電話がなった!
急いで嫁が受話器を取り、隣の部屋へ
「はい、あー!お世話になります!」
誰ということは分からないが特段気にもしなかったのだが、隣の部屋に移る瞬間に嫁が発したある一言に“うん?”と反応した。
「えっ、また何かありました?」
・・・また??・・
・・・なにかある?????・・
誰のことか?U君,Kyoちゃん、はたまた、今担当している学校の役の件?自治会??
なんのことか???と気になりつつ、嫁が電話を切るのを待った。。。。
しばらくすると隣の部屋から嫁が表情をかえることなく帰ってきた。。
大したことではないのか?でも気になるから一応聞いてみた・・
「誰から??また、なにかありました?って言ってたけど・・なんの事??」
「あぁ、先生。クラブの。」
「Kyoちゃんの?」
「そう。」
「なにかあったって??しかもまたって?俺なんにも知らんけど・・」
「あー、またって言うのは、こないだから捻挫とか軽い怪我みたいのを続けてしたから、そういふうに言うたんや。。」
「あっ、そう。。ほんで、今日もまた怪我したんか?」
「違う。。」
「違うって??ほな、なに???」
「なんか・・練習中に激しく泣いたらしい。。」
「な、泣いたぁ??なんでや??」
「うーん??先生も原因がわからんって??」
「なっ、なにーーー??そらイジメとかとちゃうか??」
「いや、そんなんとはちゃうと思う。。。。」
「じゃ、なんや・・??なんで泣くんや??」
「うーん?それが先生も思い当たる節がないから・・それで。。」
そうか!なんにもなくては泣かんからなぁ。。聞かなっ!とすぐに私は思い
「もう帰ってくるか、、、、」
と、言いかけた言葉を嫁が激しく遮った!!!!!
「パパ!あかんで!帰ってきてすぐに聞いたら!」
「なっ、、、なんでぇ???」
「とにかく“ダメ”そっとしとくの!!」
「・・・うっ・・じゃ??」
「私が様子見て聞くから!第一!パパが聞いてスグ答えると思う???」
うーん。。。確かに、、99%、いや、悔しいが105%スグに答えるとは思えない。。。
しかし、嫁は落ち着いている。
慣れているのか???うん??明らかに俺と違う。。
「なんかお前??」
「なに?」
「いや?落ち着いてるな??」
「大丈夫やって!たいがい分かる!まぁ聞いてみなわからんけど、、、」
「そうか。。わかるんか??」
「うん。」
それから30分。
いつもならもう帰ってきてもおかしくない時間。。。
・・・やっぱりなんか・・・・
いろんな事を頭のなかでシュミレーションしている。
うーん??気になる。。表に見に行こうとすると必ず嫁が“ダメ”と言う。。どうもチラチラ監視しているような。。。でも・・
あっ、そうやタバコ買いにいこう!まだ十分あるけど。。
「あー!ちょっと・・」
「なに??」
「うっ、うん!あれやタバコ!タバコ買いに行くわ!」
「え?朝あったような気がしたけど??」
「いや、切れた。」
「あっそう。。」
玄関を出た。
帰ってくる方角を見るとかなり遠くではあったが
Kyoちゃんの姿が確認できた!
あっ!Kyoちゃん!!!
なんと、うつむいて、大きなクラブ用のカバンを抱え、つまらなそうにトボトボ歩いている。。
アカン!見つかってしまう!!
とスグに家に入った。。。。。。
「あれっ?たばこは??」
「あほっ!Kyoちゃん帰ってきたぞ!!!おい!」
「当たり前やん!」
「あっ、そらそうやけど・・なんか元気なかったぞ!」
「だから、泣いたって言うたやろ!!なに言うてるの??それより、さっきも言うたけど!
絶対、、、どうしたとか、なんでや、、とか聞いたらあかんでぇ!!あっ、そや!はよタバコ買いに行き!!」
「いやぁ・・それがタバコはあるんや。。へへへ」
「ちゃうやん!顔合わすと、パパ、自然にできひんやろ、だから、タバコ買いに行って、知らん顔して帰ってきたほうがええわ!たぶん、すぐ自分の部屋行くと思うから!」
「そ、、そうか。。しかしお前、、よぉわかるなぁ??そんな、、自分の部屋にすぐ行くとか??」
「当たり前やん、ずっと見てるねんでぇ!」
と、嫁に言われるがまま、急ぎ家を出てタバコを買いに行った。。
・・・しかし、ずっと見てるねんでぇぇぇぇって・・・俺かて見てるんやけど???
なんやろ??俺?確かに普段家にいる、Kyoちゃんと接している時間は嫁より少ないけど
、、確かに母親と父親という違いはあるけど、、それにしても・・・見てないのかなぁ?俺??
あいつ、たいがい理由は分かる言うてたけど・・・・
・・・・俺??全然分からん?・?・・・・・
別に必要でもないタバコを買って家に戻る。玄関で、、、
・・うん、自然にせなあかん。。ここは元気よくただいまぁ!かぁ??うん!!そうや!!・・・
「ただいま!」
と居間に行くと、嫁が言ったとおり、Kyoちゃんの姿はなかった。。
「やっぱり、、そうか、、お前が言うたとおりやな。。ところでKyoちゃん昼飯は??」
「うん!もうちょっとしてから!聞きにいく!」
そうか。。。そういう暗黙のタイミングをちゃんと計ってるのか?それを俺が横からガヤガヤやってしまうと・・・うーーーーん。。。とにかく黙ってるしかないのか????
俺は。。。なにもしなくていいのか?というより。。。。なにもしないほうがいいのか??
二階の上がる嫁
しばらくして降りてくる。。
「うん?どうや??」
「いらんって、お昼。。」
「そうか・・ところで、、、」
「うん、よく分からへんけど、、どうも自分が練習を止めてしまって、それで、、悔しくて泣いたみたい。。」
「よぉ分からんけど、、それって、なんか自分に対して情けないとか、そういう感情??」
「そぉ!いつものことや!ほとっいたら、ケロっとしてご飯食べるわ!」
・・・・いつものこと・・・
・・・・うーん。。いつものこと??・・・
・・そのいつもって言うのを知らないんだけど、、俺?・・・・
そう言えばここ最近、喋ってないなぁ。。というか、こっちが何か喋りかけても、うん、とか、あぁ、とかそんな音声しか聞いていないし。。。。
今日のこのことって、時間がたてばドンドン薄れていくんだろうし、また新しいことがドンドン起きる、、、じゃ、その間で俺はいつもズッとなにもしなくていいのだろうか??彼女に聞くことはないのだろうか??聞けない存在なのだろうか???知らないほうがよいのか?・
でも、聞けなくても、その時は知らなくても、今日のように、必ず嫁を通じ耳には入ってくる!
それを溜めているのか??
黙って・・待つ????
待ち続ける??????
ところで、それは何を待つのだろう?
なにもなければそのままじゃないか?待つ必要もないことじゃないのか?
なんで“待つ”なんて思うのだろう??
父親って、そうなのか?
そうしないといけないのか??
父親って
ある意味、知らんふりをする存在なのか・・
子供本人は多分父親は知っているだろうなぁ?という想像を確実にもちながら、、
父親はどこまでそうするのだろうか・・・???
それを破棄する瞬間があるのだろうか?
いや?破棄しないようにするのが賢明なのか?
いずれにしても・・・
と、考えた。
確かに自分のこの時代を振り返っても、何か嫌なことがあって、それを親がギャーギャー聞いてきたら“鬱陶しかった”。。。それは分かっているし、ある意味、黙っていて欲しかった。。
その根底にあった感情は、“わかりもしないのに!”であったような気がするし。。。。。
確かに、オヤジから事細かに何か聞かれもしなかったけど、専業主婦だった母親からは私と妹の日常を多分すべて聞いていたことは容易に想像つく。。。
オヤジもずっと溜めてたのかなぁ??って
今、聞いても・・本人はたぶん、、“そんなことはなにも知らん”ってしか言わんやろな。。。。
あの人は。。
簡単に想像がつく。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
と考えている時、嫁から
「あっ、そうそう!」
「なに??」
「Kyoちゃん、パパには言わんといてって・・!だから知らんふりお願いね!」
「うん、、わかった。。。!!」
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