2007年11月23日(金)

fire 仲間 fire

 仲間 この一ヶ月間、我が家はU君の所属する少年野球団のことで揺れた。

といっても、U君が野球を辞めたいとか、怪我をしたとかという事ではない。

チーム運営に関わることについて、親たちが集まり話し合ったのである。
では、話し合った内容、問題点とはなにかと言うと、この少子化時代には珍しいのであるが、人数が増えすぎて1チームで運営するには無理が出てきたという事なのである。。。




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なんでこんなに増えたのか?数年前はサッカーに押されチーム存続すら危ういのが普通だったのであるが、U君の学年だけ異様に数が増え続けていった。考えられるのはひつとしかない、あのWBC以降確実に増えている。やはりああいうものは、自己犠牲であってもプロ選手は参加すべきだなぁ!とつくづく感じるのである。これほどすさまじい勢いでスポーツの底上げができるとは、大いに感心した。。。

5年生だけで20人。

そこで、なにが無理なのか?と言うと、所謂、試合に出られる選手と出られない選手についての問題である。

野球は9人で試合に出るわけで、必ず正選手と補欠、もう少し細かく言うとその狭間の選手という構成が普通である。しかし、少年野球団は勝つためだけの集団ではない、先日も集まりで野球団の代表が熱弁を振るっていたが、

“われわれ野球団の主旨は、野球を教えるではなく、野球で教えるです!”

これは大いに賛成であり異論はまったくない。しかし、野球をやる限りにおいてその主旨を多少なりとも加味し深めていこうと考えると、やはり試合出場も大きな指導の一つとなる。しかし、20名もの人数があつまると、全ての子供に試合経験を踏ませるというのは実に難しいことになってくる。それだけで済めばいいのだが、これが現代の大きな病理の一つなのだろうが、親がでしゃばってくるのである。。。。

うちの子はいつもベンチで●●さんちはレギュラー扱い、●●さんちの子はお父さんが監督やから外されたことがない。などと言う、昔もあったことなのであるが、現代はそれらのことをあからさまに言い募り、親たちを緊急招集するところまで問題を拡大してしまうのである。

明らかに運営側批判と監督の采配に対する懐疑的な感情であり、二つ分けることにより全てが解決すると言うことをもって、補欠選手の親が立ち上がったのだ。

私などは非常に無責任な親なので、我が子が試合に出ようが出なかろうが一向に気にならない。
見に行く気も起きない。それはそれで自分で感じ、がんばれば良いのである。
それよりも、機嫌よく出かけ、休まずに練習に行くのかどうかのほうが異様に気になるのである。

結局2回にわたり話し合いはもたれ、論点はチームを2分割するかどうかという点に絞られた。
2分割を推進する派と旧来の1チームにて運営していく派に大きく分かれての話し合いになったのである。ここでお気づきだと思うが、この手の会合がうまく綺麗に結論など出るはずも無いことは…・

私はそういった問題が噴出していることは嫁を通じて聞いていたが、まさかそんな話し合いに自分がでるなど実は夢にも思っていなかった。ほとんど嫁に任せきりで練習すら見にいったこともない。正直興味がないのである。率直に言えば、子供の世界であり、親が首を突っ込むなど私の感性には皆無であり、自分が少年野球をやっていたときに感じてきたことは、親がしゃしゃりでてくるというのは実に鬱陶しかった記憶があるからほとんど直接的には関与してこなかった。。
そんな事で子供の肩身の幅が変わるほどの事があると思えないし、それぞれの親の考え方次第だと思う。

しかし、嫁から今回の会合は“お父さん”に全員参加してもらい、話をしたいというのも、もう一つの主旨としてあり、今回だけは必ず出席して!と半ば強制的に言い渡された…


一回目の会合はチーム運営者、子供の父親、そしてお母さんがたという構成で行われた。
これは、正直、散々な会議となった。とてつもない感情論が吹き出し、結論など到底でるような雰囲気ではなく、正直、議事進行役の運営側も予測不能な流れに収集がつかないような話に迷い込んだ感じになった。この会合では理想的な形がないままそれぞれがそれぞれの立場で物を言いつづけたため、あらゆる所でそれぞれの言い分が激しく接触した。最終的には再度の会合にてという事で、今、子供が実際どのように感じているか、それぞれの親が子供と話し合い、その感じたことも次回の会合に加え話し合いましょうと散会した。

実にやれやれである。。。

正直、ここまで熱くなる親を間近に見て、驚きというよりもある種の憎悪、嫌悪を正直感じた。

自分とは違う。。。

2チームに分割されれば、父親も今以上にサポートをし、父親全員が審判などの講習もうけ、毎週、移動用の車を拠出する、などという運営上必ず出てくる物理的な問題までもが意見としてでて、二チームに分けた時の負担の確認があったのであるが、その部分は賛成派反対派を問わず異論なく、その通り!と進行していく・・反対派が合意するのはねじれているようだが、もともとこの点に大いなる不満を持っており、なんでもっと皆の父親が参加しないのか?という事を常々感じていたのである。
この点だけは思惑とは別に具体的な合意点となるのであった。それから行くと私などは実に無責任であり、その他の父親におんぶに抱っこ状態であり、それらの人たちに一言の抗弁もしようがない。しかし唯一なにか抗弁するとするならば、なんでそんなに熱くなれるのか?そこまで関わる必要があるのか?子供のためと言いながら、自身の趣味を強要していないか?という事である。
私などはそれら点が問題になるならば、金を拠出しバイトで雇えば?などとすぐに考えてしまう。
そしてそんな連中が傍でヤイノヤイノやられた日には、運営側もありがたいというよりも、迷惑に感じないか?と思うのである。都合のいい部分だけ付き合い、肝心な部分は外野から注文をつけるような、しかも頼んでもいない部分を恩着せがましく言われても素直に感謝できないのではないかなぁ?と考えるのである。具体的にかつ合理的に要請してもらえば、いい事であって、それぞれ仕事や抱えている環境が違うわけで、主席率やそのたの奉仕度合いでその部分を判断されて忠誠心の有無を量られても至極迷惑であるのと同時に、それぞれの親子関係にまで懐疑的な眼差しを向けるのは、ある種の偏執的な宗教観まで感じざるを得ない。
まぁ、私などはそれらに一切寄与していないから、もともと何も言えないし、そういうボランタリズムも皆無であるから余計に黙るしかない。。

積極的にカバーする、それでなくては、父親失格のような雰囲気が漂うどころか、中心にドッカリと座り込み、私などとてもではないが、ついて行けなかった。それよりも、この親たちはどんな仕事しているのだろう?実に疑問なのと同時に、毎週、そんなに爽やかにかつガッチリ子供のためにと張り切れるバイオリズムがまったく理解できなかった。普段の仕事も完璧に週末は子供のために、それほど充実した生活なのだろうか?私など仕事のことで精一杯であり、とてもではないが、週末くらいはゆっくり休みたい。しかも私は頻繁に休みもつぶれるから余計に、これら熱狂的な親には辟易させられた。。。。

それとこれらの話し合いの元を見ていると、どう考えても母親のグループ対立から出発しているようであり、お父さんが前に出て話し合っているようだが、これは傀儡にすぎない。だから一回目の会合は結局最後、女性同士の感情論が高ぶり、中断となったのが本質であった。

こんなこと子供が望んでいるのだろうか?実は全ての親が子供の代弁者のような内容を堂々と喋るのであるが、どうも親の恣意的な感情のようにしか見えないのである。子供がそこまで明確に運営側を批判するような内容を感情としてもっているのだろうか?ほとんど初めて顔を合わせる親たちだったので、詳しく各人のことは知らないが、新参者に近い私は正直、確たる意見もないままこの日の会合を終えた。

正直、異次元世界の話のようだったのである。
私も小さい時分、少年野球をしていた。レギュラーになりピッチャーを任されたときうれしくて父親にそのことを話したが、“へぇ?がんばれよ”で終わった。そんなことに一々感心を示す父親ではなかったが、大半の親がそうだったような気がする。実際仕事が忙しくてかまってられなかったのが本質だ。
練習や試合にしても親が見にくるなどほとんどなく、たまに気のついた親が差し入れを持ってきたぐらいであり、当然、私の母親など一度も見にきたことはないし、野球であったことすら聞かれなかった。だから何をやっているのかもしらなかった筈である。それと、当時もグラウンド難であり、移動は大変だったのは覚えている。しかし、どんなに遠くても皆チャリを飛ばしていき、チャリで移動していた。車を使うなどはほとんど無かったように記憶している。

この話、父親と母親にしたのであるが、一笑に臥された。。

アホか?と…

我が家のU君、レギュラーではない。かといって万年補欠でもない。私はそれでも大いに満足している。この状態のことではない、皆勤であることである。練習は私が見ている限り一度も休んだことはない。それが一番なによりである。私はU君が野球を始めるとき二つの事を願った。

一つは、野球はチームプレーであること。仲間を大事にし、男の世界で揉まれて逞しくなって欲しい点。

もう一つは継続することがなによりも尊いこと。結果の別なく、コツコツと継続しつづけることほど辛くしんどいことはない、それ故に続けることほど困難なことはない。そこから逃げないで欲しいという点。そして環境が許す限り野球は続け、自分からの挫折で辞めないで欲しい。

この二つ。私の希望はこの二つしかない。

だから、仮に理不尽なメンバー編成であってもそんな事は親の私がどうのこうのいう事は一切ない。そして運営側の方々には感謝こそすれ、文句など一言もない。当たり前の事である。収益を得てしていることではない。あくまでボランティアである。ボランティアで他人の子供を預かってくれ、指導してもらっていることに感謝はあっても文句など、たとえどのような事柄があろうと私にはない。
そして多少の運営側の子供に対するエコヒイキがあったとしても問題とは感じない。

当たり前のことだと思う。


……


最初の会合の宿題である、子供との話し合いだが、私も一応、U君に尋ねた。

「おい、U君?」

「なに?」

「今日、パパ、野球の集まりに出たけど、チーム分ける話があるの知ってるか?」

「うん…」

実に不機嫌そうであるのと同時に、少し反抗的でもある。。


「お前どう考えてる?」

「べつにぃ。」

「どっちや?」

「どっちでもいい。」

「どっちでもいいちゅうことは、YESと同じやで、分ける言う結論が出ても、そうでなくても、その結論に従います、言うことやで!」

「うん、それでええ・・」

「みんなとこの話したか?」

「してない。でもどっちでもええ。もうええやろ。。。」

「じゃ、結論がでたら、与えられた所で一生懸命がんばるんやな?」

「うん」

と、答えると同時に不機嫌になり二階に上がった。
どうも、聞くなよ!そんなこと!ってな感じであった。

少し気になり、嫁にこのことを言うと

やはり嫁にも同じような反応だったらしい。。。

少し考えた。子供はこの件に関しては反対じゃないか?という事である。
試合にはもちろん皆出たいだろうが、それとこれとは別であり、ましてや、親が頼みもしないことを増幅して話していることに嫌悪感を抱いているのじゃないか?と私は率直に感じた。

U君は確実に反対や!

それは試合に出るとか出ないとかじゃない!!

次の会合は父親と運営側だけで行われた。
最初の会合から運営側が着地点を固めて会合に臨んでいたので、スムーズに流れ、結論はチームを二つに分けるという具体的な措置をとるかどうかはもう少し状況を見て判断するが、原則的に
二チーム出場できる大会はスケジュールの許す限り全員の子が出場できる機会を考えるというものであった。これで良いと思った。そしてそれらに関する方向性を運営側に預けるという結論で皆合意した。これ以上は無理だろうとも思った。実際二チームに分かれた場合、10名ということになるが、必ずチームとして成り立つかなど分からない。それの方が問題である。一つのチームから大会によって二チームの出場を考える方が、様々な問題の観点から考えても納得いく落しどころだったんじゃないかな?と思うのである。

しかし、この会合で私は一つだけ気になった点がある。

会合の最初に各父親が子供との話し合いの結果をそれぞれが個別に発表したのであるが、皆、賛成・反対と明確に答えているのである。。

うん?なんで、そんな明確な答えがでるの?
どんな聞き方したの??

私の考えでは、子供は明確な答えは無いはずだと思っている。それはレギュラーの子でも補欠の子でもそうだと思う。まぁ親の意見に追随する子がいたならば別だが。
基本的に今の現況を考えると、子供が子供を判断などするはずが無い。出来ないはずだ。
もっと言えば、そんな明確な答えは諸刃の刃であり、それをもって、自分の子が確たる答えをもって自己主張できるなどと悦にいっていてはいけないと思う。子供にとって根本は仲間の問題のはずであり、野球の実力の問題や、親の欺瞞に近い感情からでた問題ではない。

私の番が回ってきたとき、私は正直にU君と話したことを皆の前で言った。

「うちの子は賛成でも反対でもないです。明確な結論はもっていません。ただ、親の私が見る限り反対のような気がいたします。」

と答えた。このような主体性のない答えは私だけであった。。会合中ずっとそのことが気にかかった。なぜなんだろう?YES・NOをはっきり迫れる問題ではないはずなのだが??
子供の素直な感情とはそうなのか?それならば少し寂しい気もする。。。。。

会合の最後に、若い青年、ボランティアでコーチをしている若者が一言良いですかと話し出した。

その若者の言いたかったことが、私の疑問を拭いとってくれた。
若者は、この問題について、私はあえて子供たちに直接は聞かなかったと言った。当然コーチの自分が直接聞けば、子供は萎縮し、明らかな誘導尋問にしかならないのでそれは避け、キャプテンを中心に子供たちの感情を自分なりに探ると、明確な答えはほとんど無いが、ほぼ反対の感情を持った子が多かったと自らの感じた事を語った。

それは明らかに父親たちが会合で発表していたものとは相違する。

そしてもう一つ、彼が切に訴えたのは、練習を休ますなという事だった。野球というスポーツをする上で基礎的なフォーメーションであったり、動きを中途半端な習熟で行い、試合にでるなど、相手チームに対して失礼であり、それ以前に野球の体をなさない。それらを全て理解し、これらの話合いをもたれたのであるならば、ある程度納得も行くが、プロセスを無視し結論だけで、中傷するのはやめてもらいたいと彼は熱弁を振るった。練習にこないものは、練習に皆勤のものよりもポジションとしては下に置くということも明確に発言した。例え上手くてもこのチームの基準は練習に必ず参加し、チームのためを思う子が優先されますと…・

U君をはじめ補欠の子供やレギュラーの子供もわかっているのである。出る出ないという意味が。
それらの子供の世界を飛び越えてはいけないのではないか?と改めて気づいた。そしてなにより、
少しだが、仲間というものの形を考え初めているのではないかと思う。結局、参加だけでは駄目なのである、毎回同じ辛い練習をこなし成長しなくては…それらをちゃんと子供は感じているのだと…

この彼の話が全てのような気がした。

父親たちは黙っていた。。

会合が終わり、家に帰るとU君がテレビを見ていた。

「おい、U君?お前、実は反対やったんやろ?」

「うん!」

とキラキラした目でこちらを見返してきた。

それ以上はなにも聞かなかった。


U君が寝てから、今日の話を嫁にした。すると私がU君に賛成反対を聞いた後に、嫁には本音を話していたみたいだった。


“二チームに分かれたら、そら、皆試合でれるけど、
でもさぁ、努力もしない奴も試合に出れるの?”



はははははははは

その通り!!
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投稿者 junca 17:50 | コメント(0) | トラックバック(0) | 子供
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