2007年08月23日(木)

fire ロボトミー fire

 ロボトミー 先日何気なく入ったコンビニで

時間つぶしのためマンガを立ち読みしていた。

パラパラと何冊かめくったが特に面白い物がなく
出ようかとした時、マンガが収まっているラックの
最下段の一冊に目がとまった・・

今、そのマンガのタイトルは思い出せないが、

何かが

目を引いた。手に取ると表紙が、大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)で二〇〇一年、児童八人を殺害、教師を含む十五人に重軽傷を負わせた事件の宅間の肖像だった。この事件、実は今も興味がある。特にこの犯人の人生の奇異さと、奇異な人生に走らせた異様な指向性、そして判決から即行で執行された死刑、どれをとっても理解を遥か超えるものであり、なにか結論が出ないまま抹殺されたような感がつよく、心の中で鮮烈かつ、明確な棘のような引っ掛かりが今もあるのだ。。。
その興味を持ってマンガを読むと、なるほどぉ!と当時記事の文言として読んでいたものがマンガの絵をかりて画像が動きだし何かしらの窓口がつかみとれたような感じがした。。。この衝撃的な事件をはじめ、このマンガの編集は猟奇的殺人事件をまとめた内容だった。。

次のストーリーを読もうと表題を見ると

「ロボトミー殺人事件」

・・・あっ、このロボトミー・・いつか、何かの記憶がある・・・

・・・うーん、思い出せない。。。。が、なにか覚えがある・・・・

なんだったか????

と、モヤモヤしながら読み進めたのだが

驚いた!!

この聞きなれない“ロボトミー”とは

要するに、、脳に外科的手術を行うことにより精神疾患を治療することなのである。
特に以前で言う精神分裂症、現在で言う統合失調症を中心に外科的に手術をしたのだ。

ロボットのような人間にするからロボトミーではない。
ギリシア語の「λοβός lobos=葉、この場合は前頭葉、τέμνω temno→tomy=切断」から作られた造語である。発音が似ている「ロボット」は、チェコ語のrobota(労働)という言葉から作られたとされ、語源が全く異なり関連性はない。

例えば、瞬間的に激高し殺人まで犯す人間が現在も存在するが、その潜在的な犯罪の可能性を考えれば相当数の予備軍が存在する。人間は誰しもこれに近い感情を内包しているが、精神のバランスが崩れた瞬間、突発的に殺人にまで走る人間が所謂精神分裂状態のゾーンにあり、それらの人間の頭を、メスを使い具体的に神経細胞を取り除くもしくは切除することにより、事前に精神のバランスを人工的に保つ施術なのである。

えぇ??こんなことが行われていたのかぁ???

・・・・うーん、しかし、記憶のどこかに・・ある・・・

驚いた点は

この倫理的にかなり問題があると判断できる施術が、
実は1975年、「精神外科を否定する決議」が日本精神神経学会で可決され、それ以降は行われていないらしいのだが、当時、基本的な法的拘束がかかっていなかったという点、そしてこの非倫理的な施術が30年以上前は当然の方法論として肯定されていたという事実。

また、この手術を受けた人間が発表では3~12万人とその数の多さもさることながら、あまりのアバウトな幅の大きさにも驚嘆する。それはごく一般的な施術として存在したから、データーとしての根拠がつかめていないのが現実だと判断できる。。風邪の患者を具体的にAIDS患者のような特定数値では表わさないし、表せないだろうし、またその必要もないであろう、まさしくそれらと同内容が感じられるのである。

そしてなにより、この手術、手術例の蓄積からより大きな成果を導きだそうと、一時期、医学会で奨励されていた時期があったらしい。施術当時の精神医学界では、精神外科手術が“画期的な治療法”として脚光をあびており、臨床データをより多く取るための目的もあって、多くの医師によって積極的にこの手術が行なわれた。しかし、この手術は当初より、しばしば、てんかん発作、人格変化、無気力、抑制の欠如、衝動性などの重大かつ不可逆的な副作用の報告がなされていたのであるが、抑止することなくかなりの年月継続されていた。。。

さて、マンガのロボトミー殺人事件であるが、このロボトミー手術の暗部がすべて剥き出しにされた象徴的な事件だったのである。

もともと暴力性をともなった精神的に問題のある男が紆余あった末、スポーツライターとして、その才能を活かすまでに努力するのであるが、些細なことで兄弟を傷つけ警察に逮捕される。警察で前歴を調べると、幾度となく繰り返される暴力事件に精神鑑定の必要性を強いられ、精神病院へ強制的に入院させられる。しかしこの時期、先述のとおりロボトミー手術が奨励された時期と符号し、自らの意思とは別に、騙されるような形で手術をされてしまう。本人はロボトミー手術の存在も認識しており、その副作用もかなりの具体的な部分で認識していた。それゆえにロボトミー手術に対しては拒否を言葉としても行動としても医師に表していたのであるが、狡猾な手段により施術されてしまう。この時点での医師の感情は想像でしかないが、人の人生を助ける仁術という観点ではなく実験としての興味が強かったのだろうと感じる。
手術結果は医師の想像通りの、いやそれ以上の成果を上げ、暴力指向性が消滅するのであるが、その代償として、彼からは人間としての感動や精神的意欲は極端に減退し、人にスポーツを通じて感動を伝える仕事であるスポーツライターとしての人生は停止したのである。
その後も手術の副作用に悩まされながらも真摯に人生を歩もうとするのであるが、ある時、何を見ても何も感じない自分に対し絶望を感じ、手術をした医師を殺害しようと思い立つ。しかし乗り込んだ家には医師が不在であり、結局医師の家族を殺害し捕まる。これがロボトミー殺人事件のあらましなのである。。。。

驚くのはこの事件の結審だが、1996年11月無期刑であった。僅か11年前に決着したのである・・・唖然とする。。。つい近年まで脈々と審理され生き続けていた問題なのだ!!決して過去の不条理な問題、歴史ではないのだ・・・

今、誰が聞いても、精神的な破綻をきたした人間の頭を開けて、実験のような手術をすることを“是”
という人間はいないだろう。過去、このような事件があったからそう思うのでなく、何となくでもいけない事と感じるものなのだが、僅か30年位前は劇的な手術方法として奨励までされていたのである。。

うーん??しかしなにか覚えがある・・・
この、ロボトミー・・・一時ものすごく引っ掛かっていたような????

家に帰って早速“ロボトミー”とキーワードを入力し検索すると、やはりロボトミー殺人事件が上位に掲示されていた。しかし順にみていくと

あっ!

これだ!

と、突き当たったものがあった!!!!

カッコーの巣の上で!

アメリカンニューシネマの代表作・・・

そうだ、このとき知った言葉だったが
当時、20年前、調べる手段がなかったのだ・・それでも
執拗に調べある程度は分かったが、それっきりになっていたのだ・・・

確か、主人公のジャックニコルソンがこのロボトミー手術を強制的に施され、無気力、無感動を超え
廃人になるシーンが強烈な印象として目に焼きついた。そのときの興味がこの手術を探る動機になったのであるが、当初は映画の中の想像的演出だとおもっており、現実に存在するものだとは感じていなかった。だから調べるといっても、存在するものをなぞるような事ではなく、類似事象があるのか整合させるということの方が強かったような気がする。しかし実際に存在する手術だと、、具体的に認知するまでには当時到りはしなかった・・

アメリカンニューシネマは私にとってかなり大きな存在であり、実は今私が持っている芸術を判断する指向性の太い指針であり、ファクターと呼んでもおかしくない位置づけがある。
反体制、刹那的、個人の無力さと虚無感、不条理、暴力、SEX、それらを客観的な世相として活写し包括するのではなく、人間個人の内面まで掘り下げる実存主義・・今、現にここに存在している私・・という具体的なテーマ性がバックボーンとして存在するこの芸術感性は、私のコアな部分である。。

その中で、カッコーの巣の上でのロボトミー手術は、他人は知らないが私にとってはかなり象徴的なシーンに映り、体制から抹殺される不条理な手段・方法としては衝撃的な印象が脳天を突き抜けた。。。

まさか・・こんな事??映画の象徴的な演出じゃないのか????
と感じたものの強烈な興味が増幅した・・・

映画は精神病棟と患者、医師、看護婦が中心にストーリーを展開していくのであるが、私がこの映画を見て感じたのは、精神病棟の患者は我々常人からみると“異常”“奇異”な人間なのであるが、逆の患者側から医師や看護婦、ある意味一般社会と置き換えてもいいのであるが、それらを見た場合、同じ感覚が生じるのではないかなぁ?というものである。
人間はある意味大多数が精神において小さな振れ幅の中で生きているのかもしれない。大きく振れる人間は小さな振れ幅の人間からみれば、驚異であり、自分の知らない未知の境地を体得しているという想像が働くのかもしれない。それが一種の恐怖と結びついているのか?とも考えてしまう。例えば認知症というものがあるが、認知症患者自体は認知症の中には存在しない。
認知症として存在し、苦痛を感じるのはその周辺の介護する人間なのだ。大きく振れた精神の、自分の振れ幅を超えるマージン部分は、振れ幅の小さな人間が被る災厄でしかないというのが過去から蓄積された想像上の臨床例であり、ある意味、一般社会の精神的バランスは振れ幅の中心がすべてであり、ある一定の平均的な枠としての振れ幅が結果として存在し、その枠からはみ出す部分に中心を持っていこうとするように見られる人間は異常、奇異ではなく、一般社会の人間を超越した存在として、その未来の行動の予測が取れないことが最大の恐怖に結び付くのかもしれない。もし、もっと人間の精神の振れ幅が大きなものであったら、相対的な観点から人間の正常という幅は現在とは大きく相違し簡単に変化する。それをある種具体的な例として捉えられるのは“戦争”じゃないかと思う。現代で戦争を志向すると、間違いなく精神破綻者側の人間に入れられる。しかし、全員が戦争状態の時は、戦争を反対する者が精神破綻者の側に組み込まれるのである。。。それほど、あいまいであり、中心などと考えている物は外的要因によっても簡単に変質するものなのである。。
だから人間は常にどこが中心なのか?日本人だと平均なのかを模索する。明らかに最初からそれらの中心や平均にとらわれない人間が出現すると、精神破綻などというレッテルを貼る。その方が自分達で導きだした結論を瓦解せずにすむからである。しかし、くどいが、中心や平均をもたない者からみると、中心や平均に対して常にアンテナを張り巡らす人間は異常に見えるのではないだろうか???

それに対する対抗手段としてロボトミーとは具体的戦術として編み出された方法論かもしれない。しかしこの時点で、このロボトミーを肯定する側は果たして精神バランスの振れ幅は一般社会の人間の振れ幅に合致するのだろうか?場合によっては精神異常者と呼んでいる人間の振れ幅を遥か超えているのではないだろうか?これらカオス状態を抑止するために人間は“神の領域”なる言葉を編み出したのではないだろうか??でもロボトミーは明らかに神の領域を土足で侵入し、皆、侵入したことすら気付かなかった事に最大の不思議が存在する。

そして今もって不思議なのは、ロボトミーに対する怒りが社会にないのである。。

だから、ロボトミー、イコール、ロボトミー殺人事件だけが取り上げられている。。

しかし、それすらも実は社会の中で末梢寸前であり、知っている人間の方が少ないのである。

明らかに何かの手順を飛び越えた結論に思える、ロボトミーは・・・・
脳の構造を理解し、それに対して機械を修理するように思考することは拙速過ぎるし、人間の智慧に対しての大いなる欠落を感じる・・・


まぁいずれにしても、人間の脳を解剖することで、日常生活は送れても、人間の感情はいとも簡単に変質・崩壊するという、いかにも単純な行為が、実は人間の本質的な軸を容易に歪めるものなのかと改めて感嘆してしまうのである。。逆に言うとそれほど精密にできているのかとも考え、すこしナーバスにもなってしまう。。外科的手術なしで崩壊する人間の感情の主要因はストレスなどと呼んでいるが、実は肉体に与えるインパクトはそれほど大きなものではないのか?もしくは人間の回避能力が強靭であり、柔軟なのかもしれない。しかし、蓄積スピードが上がり、消化不良を起こすと、人間の回避能力では防御しきれず、外科的手術を超える崩壊を始めるのも確かであり、そういう意味では人間は誰しも眼前に精神バランスを崩すものと対峙しているのかもしれないし、今、ある姿は偶然の結果なのかもしれない・・・

そしてこのロボトミーで総合的に分かったのは、人間の“怒り”の部分、これは暴力や凌辱という人間社会を崩壊させる主要因であり、また逆にそれらに対抗する原動力にもなるものなのだが、この部分を取り除くと、人間は無気力無感動の廃人に近づくのだと。人間の行動原理の根幹が実は様々な感情の種類があるにも関わらず“怒り”というものにかなり深く依存しているということがなんとなく分った。
それは、、怒りのない人間は人間ではないという事にもつながり、社会の構成要件としてはかなり重要な部分となり、何に怒りをもつかによって人間の行動は明らかな表現主体とその見え方が変わり、怒りの持続がある種人間と社会を律動させ行動し続ける原動力になるのである。。

カオスの中に身を置き、具体性のない平和を専行してなど到底夢想できはしない、必ずカウンターが必要であり、そのカウンターに対する原動力としての怒りがエネルギーの条件となる。
戦いが存在するから平和という概念が存立し、平和の概念があるから戦いの概念もまた存在する。そのどちらかにおいても、それらを具体的にしようとする怒りが生じ人間を動かす。
蛮行が存在してしまうのは思慮の欠如ではなく、興奮を求めてやまない精神の所産なのである。しかしながらそれらを如何に抑制・覚醒させるか人間がもった性との葛藤であり、ある意味怒りの根本となり得、行動の根幹なのではないだろうか??
何もなければ、赤ん坊が母親の胎内の羊水の中で浮遊しているだけでしかない。。しかし、そのままでいるわけにはいかないし、摂理としてもありえない・・・


ではなぜ出現するのか人間は??


出現とは一種の怒りの肉体言語の表現だと思う。。




words by David Bowie


地上管制室からトム少佐へ
地上管制室からトム少佐へ
プロテイン錠を服用し ヘルメットを着用してください


地上管制室からトム少佐へ
カウントダウン開始 エンジン始動
燃焼確認 どうぞご無事で...

10. 9. 8.7.6.5.4.3.2.1.

発射

こちら地上管制室 トム少佐聞こえますか

大成功です!

新聞記者たちがあなたの着ているシャツのブランドを知りたがりますね
さあ 準備よろしければ カプセルを出る時間です


「こちらはトム少佐 地上管制室 聞こえますか
今ドアから外に出たところです
そしてなんとも奇妙な姿勢で浮いております
そして星達は 今 格別に輝いて見えます」


「この宇宙空間
鉄のカプセルにのって
遥か世界のうえにおりますので
地球は本当に青く
私はちっぽけな存在なのだと感じます」


「10万マイルも昇ってきましたのに
とても静かな気持ちです
私の宇宙船が私の行方を示してくれるようです
どうか 私の妻に とても愛していると伝えてください
彼女はきっとわかってくれるでしょう」

地上管制室から トム少佐
あなたの声が聞こえません
なにか異変が起こっています
聞こえますか トム少佐
聞こえますか トム少佐
聞こえますか トム少佐
聞こえますか...


「この宇宙で 私は 鉄のカプセルの周りでふわりふらりと浮かんでいます

月の遥かうえ

青い惑星地球

私は無に等しい存在なのです」












「2001年宇宙の旅(Space Odyssey)」の刺激を受けてつくられ
た。しかし、実際にはそれは外宇宙へと向かう運動ではなく、むし
ろJ・G・バラードが語ったような〈内宇宙への旅〉である。
〈Odyssey〉の代わりに使われた〈Oddity(奇異さ、奇人)〉と
いう言葉に、そのような意識が投影されている。




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投稿者 junca 02:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | song
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