2007年07月07日(土)
夏の邂逅 
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野球が好きになったの?
多分、小学校1年位だったような記憶がある。小学校2年の時にはユニフォームを着ていた。
小学校に入学し、朝、集団登校の待ち合わせの公園で毎日上級生と出発までゴムボールで野球をしていた。そのころルールもよく分からなかったが、皆でやるこの遊びが大好きだった。
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当然、皆の憧れは“阪神タイガース”
私が小学校に上がったのは昭和48年、このころタイガースは既に優勝から10年近く離れていたが、それでも往年の強さの印象がまだまだあり、我々ちびっこは有無を言わさずタイガースファンに“ならされた”。タイガース以外を好きになることは認められなかった。
無理からにでもタイガースだった。
この時分、小学1年だったと思うが、野球をしていて、今から思うとなんてことのない事柄なのだが、いまだに脳裏にくっきりと焼き付いている出来事があった。
夏休み、友人三人と野球をしようと言うことで、近くの神社の裏にあった、グラウンドのような空き地のような所に出かけた。夏の真っ盛り、強い日差しの中、三人は汗だくになってボールを追いかけていたのだが、流石の暑さに参って、神社の大きな木の下で、少しやっては休み、休んではまたやると言うような事を繰り返していた。
このころ少しルールも分かり、野球に対する興味が大きく膨らみだした頃であった。しかしキャッチボールも満足にできない者同士、まともな野球の練習とは程遠い。ほとんど、いや大半が悪球や取り損ねのボールを追いかけているような状態であった。だから汗だくな理由とは球拾いの労力に他ならなかった。。。
三人、木の下に腰をおろすと、日陰の中で僅かな風が少し冷たく、気持ちよかった。。
すると、木陰の後ろから、女性の声がした。
見るとテニスラケットを持った二人の女性。あの当時、中学生であっても高校生であっても我々の中では全て大人の女性だった。そしてハッキリと顔までは今となっては覚えていないが、綺麗だったような気がした。特に私は親戚にもこのくらいの年頃の女性がいなかった事もあり、なんともいえない眩しさがあった。。。
その女性二人が我々の座っている木の横を通り過ぎようとした瞬間、視線がこちらに向かってきた。
一瞬目が合う。
すると、一人の女性が声を掛けて来た!!
「あれ?ボク達、ここで野球してたん??」
「うん…」
「そう。。どうする??」
そんなに広い場所ではない。テニスと我々の野球を同時に出来るほどのスペースは無かった。。
しばらく、女性二人は、しゃべって何かを相談していた。
そして、こちらに話し掛けてきた。。
「なぁ?ボクら?おねえちゃんらと野球する??」
「えっ?」
「なぁ、しよ!」
「えっ?でもテニス??」
「ええから、ええから!!はよこっち来て!!」
と突然皆で野球をする事になった。ルールなどない。ピッチャーがいてキャッチャーがいて、バッターがいて、あとは守備。ただそれだけを繰り返す。でもなぜか楽しかった。
ズぅーと笑っていた記憶がある。。。
しばらくすると
「ちょっと、休も!」
と、なり、さっきの木の下に5人腰をかけることになった。
女性の内一人が腰を上げどこかに消えていった。。。。。。。
「あれっ?おねえちゃん??」
「いいから、いいから!それよりボクら、みんなどこのファン??」
「タイガース!!(三人大声で)」
「やっぱり!じゃどの選手が好き??」
と聞かれ、友人二人は田淵、村山、だったと思うが即座に答えていた。
私は正直、野球を好きになり、そしてタイガースを好きになったばかりで、この時個別の選手を好きになどなっていなかった、というより、ほとんど知らなかった。。。。。田淵は知っていたが、友人に取られた…
「あれっ?君は??いないの??」
「江夏。。」
「江夏!!おねえちゃんも大好き!!江夏の三振!かっこいい!!」
「おねえちゃんも!! かっこいい…」
江夏はかっこいい!
この日から今日まで私の中でこの言葉が変わったことは無い!!
実は田淵以外は、この名前しか知らなかった。。でも、この名前だけは知っていた。。
なんせ、上級生が“江夏はすごい!”“江夏の投げ方はこうや!”“王なんか江夏の敵やないぞ!”とやたら江夏ファンが多かった。
何よりも、村山以降、宿敵巨人に真っ向から立ち向かうタイガースの選手は江夏を置いて他ない。
いや、江夏以降いない!我々はそんなタイガースの江夏に最大の憧れを持っていた!!そしてそんな選手になりたかった!
しばらくすると席を外していたもう一人の女性がアイスキャンディーを抱えて帰ってきた!
「はよ食べ!とけるぅ!」
ソーダ-バー。あの二本木のバーがついたやつ。真中で二つに分けてなんか得した気分になるアイスキャンディー!!
美味しかった!
何時間遊んだろう??せっかくテニスをしに来たのだが、結局我々の野球に付き合ってくれた。。
「そろそろ帰るわ!」
「えぇ!もう…」
残念だった。。もっとこの時間が続けば…なんて思っていた・・
帰り際、
「みんな野球がんばって!」
「江夏君もね!」
「えっ?。。。。エ・ナ・ツくん??。。。俺???」
その日から、私は江夏豊が大好きだ!今も憧れだ!!
南海に行ってからも、広島に行っても・・
私にとっての最高のピッチャーは江夏だ!
あの、21球もテレビでリアルタイムに見た。
西武を追い出され?皆に馬鹿にされながらもブリューワーズのテストに挑んだ江夏、野球ニュースで追っかけた。
成功してほしかった。真剣に応援した。。
少し人生道を外した時期もあったが、それでも大好きだ。
江夏の投げる球には信念がある。職業としてのピッチャーが投げる球だけではない!それ以上の
生き方を示す信念の球だ!!!
そのスピリットは私が最大に尊敬する野茂に受継がれている。
出来れば、ほんとに出来れば、もう一度、縦縞の28の勇姿を見たい!!!
小学校の時、阪神という企業に、突如取り上げられた憧れの“28”。。。。
帰ってきて欲しい。。
江夏は甲子園が似合う。
実は、長男のU君、名前を決めるとき貴方の名前が脳裏を過ぎったんですよ。。。

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