2007年03月25日(日)
支星 1 
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美しい女性と出会った。
彼女は“関ヶ原”の山奥に住み、日本画の絵描きであり、私と同い年だった。
もう長らく忘れたいたのだが、先日、突如思い出した。。
そのきっかけは
急遽、名古屋に行くことになった事であった。
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仕事で、ある会社に頼んでいたものが届いたのであるが、見ると、私がイメージするものとはかけ離れたものであった。
なんでこんなにも違うのだろう?
今後の仕事の展開上、重要なものであり、そのために2週間前に綿密な打ち合わせをした筈だった。それにも関らず、結果は惨憺たるイメージのギャップが眼前に突きつけられた。
わずかな怒りが込み上げてきたが、とにかく再度会って話をして、こちらの意向を急ぎ伝えなくては解決しないだろうと判断、急遽名古屋に向かうことにしたのだった。。
約束の時間の関係で会社には寄らず直行したのであるが、すこしだけ時間が余る計算になるので
道中で食事を摂ってから向かう事にした。時間的な配分を考えると養老サービスエリアが適当かな?と考え立ち寄ることにした。
久し振りであった。東海地区を担当している頃は毎月位に立ち寄ったサービスエリアだったが、
ここ数年は西日本に行くことが格段に多くなり、名神高速自体利用することが減っていた。
食事を摂り一服するのに缶コーヒーを買い、ベンチにすわり山を眺めていた。。
少し春めいた風が心地よく、ナーバスな仕事の話をしに行く途上であることも忘れ、関ヶ原に広がる青い山々を眺め東海地区を回っていた頃のことを思い出していた。。
関が原、懐かしいなぁ!
30歳前後、今から10年前、東海地区を営業担当として回りだして3・4年目、少し仕事に惰性が生まれていた。すこし自分自身の考える仕事、自分で会社の枠を超えるような仕事がしたいと夢想し始めた頃だった。
男には35歳説というのがある。
35歳というのが男子の一つの大きな節目の歳である。35歳を超えると自分の生活が一気に硬直し始め、その流れのなかで動いていくしかないくらい選択肢が狭まり、仮に決断すべき選択肢が現れたとしてもその決断はかなり大きなものであり、ともすれば大きな博打になりかねない。これはあくまで一般的な視点からの考察でしかないが、しかし、独立などの起業やその他会社などという枠組みから飛び出し成功している、もしくは結果はでなくても、そのような行動に出た人の年齢の多くは35歳まで、そして大半が30歳前後のように思う。。
だから私が少し味わった惰性とうのか虚無というのかモラトリアムは私だけの固有のものではなく、その年齢前後の男子の大半が感じる感情の流れだったのかもしれない。しかし、それも今となってはということで分るわけで、当時はどうにもならない心のつっかえがあったのは確かである。。
会社でもそのころ私を含む5名の同世代が力をつけだしており、この若手になにかやらしてみようという気運があり、漠然としてではあるが、テーマを貰い多少の経費予算をつけてもらい活動するよう指示された。具体的なテーマではなかったが、現状の会社にないものの開発であったり
会社の若者たちの不満の直接的窓口となるような事が大きな命題であったような気がする。
そんな時分、関が原からやってきた一人の美しい女性が私の前に現れた。
誰からの紹介だったのか記憶は定かではないが、ある時から“美しい女性”が会社にくるようになっていた。
「あれ、だれ?」
「しらん?けど奇麗やなぁ??」
他のベテラン社員に聞くと、日本画家ということであった。
「へぇ!絵描き・・しかも日本画の・・」
彼女は日本画家といっても芸大卒で団体展所属という型の人ではなかった。
今ではほとんどなくなったが、画塾出身者であり、地元で活動されている先生に若くから師事し、勉強したようなタイプの日本画家であった。。
興味があり彼女の描いた絵を見せてもらった。
絹本に描かれた花鳥画であったが、正直上手いという事はお世辞にも言えない代物であった。
硬い、描き過ぎ、情緒がないという若い絵描きが必ずもつ、脂ぎったような満腹感が画面全体に広がっていた。
「なんや・・あかんやん・・」
と、その瞬間興味が失せた。。
しかし、数日後、あるサンプルが目にとまった!!
「へぇ!これ、ええやん!誰??」
「Tさん!」
「Tさん??」
「ほら、あの若い美人の!」
「あぁ!えぇ??あの人の絵??これ??」
その絵は紙本に描かれており、儚いが華やか、しかしゴテゴテした賑やかな華やかさではなく、寒い日に、ひっそりと藪の中に咲く寒椿のような美しさがあった。。
先日見た絵とのギャップに正直驚かされた。聞くとこれが本来らしい。
「これは!」
と、目をみはった!!
急ぎ、例の若手5人組みのグループを集め見せて印象を確認した!
「これどう?」
「おぉ!ええやん!」
と一様に高い評価!
「今までにない感じやろ!」
「うん!これやったらいろいろ仕事になるでぇ!」
「いっぺんおうて話してみよや!」
と、いうことになり連絡を取ることにした。
彼女の電話番号と住所を会社で調べると、岐阜県、関ヶ原・・・であった。
私が毎月出張で行く道中だったので、私が伺い打ち合わせをする事になった。。。
会社に来る日をまってでも良かったのだが、やはりアトリエであったり、作家の周辺をしるのも大事な仕事なので伺うことにした。。
「もしもし、●●の者ですが」
「あっ!お世話になります!」
「あのぉ突然ですけど●日の午後4時ですが、一度お伺いしたいのですが如何ですか??」
「えっ?わざわざ来ていただくのですか?こちらから伺いますが?」
「えっ?いや仕事の帰りですからお気づかいなく。。」
流石にアトリエ見せろだの、どんな生活してるんや、みたいな事は露骨に言えないから仕事の途中で立ち寄ったということにした。。
「あのぉ?どういった要件ですか?私、仕事続けられないのですか?」
「えぇ?違いますよぉ、逆です逆!」
「逆??」
「そう、新しい仕事を一緒に考えて協力していただこうと思い、その打ち合わせです!」
「えぇ!そうですか!ほっとした。。もういらないって言いにこられるのかと思ってドキドキしました。ハハ・・」
謙虚な人だ。。
つづく(3/26 23:57)

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