2007年01月23日(火)
ツイード 
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新年早々から“やらねば”と決意はしているのだ。。。
休みの前の日には“よーし明日こそ”と決意するのだが、いざ朝起きると
うーん……
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となってしまい、来週でいっか!
と先送りしてしまう。。
それは何かと言うと“家の整理”だ。。それも自分の持ち物、特に衣服である。。
見まわすと我が家も荷物が増えた。子供が大きくなるに連れ加速度的にモノが増えて行く。。
これの最大の原因は家族皆がモノを“捨てない”からだ。。。
よく家の外側にモノが溢れかえったような状態の家を“ゴミ屋敷”などと言うが
我が家は家の外にゴミが出てないだけで、ある意味家の中はゴミ屋敷に近いかもしれない。
よくよく考えれば、私は結婚当時一体何持ってきたかナァ?と嫁に聞くと、パジャマと毛布だけらしい。。
そんな事ないやろぉ??と言うが
良く覚えていて
いや!あんたは“パジャマ”と“毛布”しか持ってこなかったと断言する。。
確かにそんなような気もする。。。
しかし…きょうびのホームレスでももっと身の回りのモノもってるよなぁ。。。
まるで、避難所生活みたいな新婚時代の始まりである。。。
スーツその他は確かに、ある程度の時期までは実家に置いていたように思うし、家具などの家財一式は嫁が持参した。。。
それから思うと今やその当時の何倍もモノが増えている。。
まぁ全体はジョジョに片付ければいいのだが、私としては数年前から自分の衣服については
そろそろ整理しようと考えていた。。
なぜそれほどの決意のいることか?と疑問に思われる方も多いと思うが、これには理由がある。
実は私、18歳から買った服はほぼ残しているのだ。。
今、その90%は着ない服なのだが、それぞれに思い出があり、捨てられないまま残しているのだ。。しかし、勘違いしてもらっては困る!
この思い出というのは、何もこれらの服を着ていた時にあった様々な出来事の事ではない。
それぞれの服を吟味して買った時の事である。。
買うに至るまでの思いがそれぞれに深く記憶に残っているのだ。。
正直、バイトして無理して買っていたものばかりであり、良いモノが多いのだ。
皆、変だと言うが、私は20代前後の時分、服を買う時、いつも叔母と一緒に買いに行っていた。
彼女とショッピング??
私は服を買う時そんな概念はまったくなかった!!
彼女には私が吟味して買った服をデートの時着て行き見てもらうものであると考えていた。。
それの方がドキドキ感があり、服を買う楽しみも増す!
叔母は長年クリーニング屋をしていた。今のクリーニングとは分けが違う。全て職人が手で仕事をするクリーニング屋だ。京都の花街に近かったせいか、田舎のクリーニング屋とは扱う衣服も数段違うモノであった。
そして叔母はお洒落でもあった。私の服を買う“先生”だったのだ。
とにかく何千何万ものお客の服を触り、良いもの悪いものに精通していた。
叔母に買う服をいつも見てもらっていたのである。値段に見合うものなのか?仕立ては?生地は??すべて聞いた。。
そしてこれは私のお洒落感の軸でもあるのだが、叔母はスタンダードなスタイルが大好きであった。多少の時代性をとり込んでいたとしても、基本はスタンダードなのである。それを如何に“粋に”着こなせるか!それがお洒落なのである。気を衒ったようなものは毛嫌いしていた。。そして分というものも大事にしていた。それはやはり“中身”に相応するものでないといけなかった。。
大学に受かり、入学式の時着る服も、叔母は、“大学1年らしく”トラッドにしたらどぉ??
と言ったが…・
えぇ??トラッド??ともう一つピンとこなかった。。しかし、ある日街中で確か同志社のスポーツ部の一団だったと思うが、皆、トラッドでキメていたのを目撃した!!
おぉ!かっこいい!!
単純な私はこの瞬間、キメた!!
“おばちゃん!トラッドにする!ついてきて!”
と、今は無くなったが、寺町通りにあった、“KENT”のオンリーショップに向かった。。
まったく何も知らないから店員に勧められるまま、トラッドの中のトラッドを上から下まで買い込んだ。。紺のジャケット金ボタン、左胸にはエンブレム。カッターは厚手のオックスフォードのボタンダウン。ネクタイは赤ベースのレジメンタル。パンツはグレーのストレート
裾はダブル仕立て。靴下は紺ベースのアーガイル模様。靴はリーガルのウィングチップ!!
キマッたぁ!
いいぞぉ!
などと自画自賛だったが、今から思うと、まるで不二家のポコちゃんだ。。
しかしながら、今でも団塊の世代の方でこのトラッドに拘ったファッションをされている
方がおられるが、私は良いナァ!と何時も感心して見ている。若い時分に受けたアイビーの洗礼を今も残したファッション。。凄く清潔感があり、年齢を増すに連れ良い感じになるファッションだ。。
男を磨いた時間、そういう着こなしがアイビーファッションをガキが真似できないファッションにしている。。
その後、私はDCブランドブームと言うのに飲み込まれて行く。。コムデギャルソン、ワイズ
ビギ、ニコル等など。。何万もする服をバイトしては買い、買ってはバイトしていた。。
その中で、買った一品がある。。。
コイツのために全てが残っているようなものなのだが、、、、他を捨てればいいやん!そしてこれだけ残せば?と普通は考えるのだが・・どうもそう言うわけにいかないのである。。。。。
他を捨てるのであるならば、これも捨てなくてはいけない。。
これを捨てる決心をしたのなら、他はこだわりなく簡単に捨てられる。。
とにかく今整理を迫られている服たちの軸になる一品である。。。。。
それはツイードのジャケットである。。
なんか、スーツなんかとは違う大人の雰囲気があった。しかもなんだかクラフトマンシップに溢れた衣服に感じていた。。
なんて言うんだろう??上手く言えないが、なんとなくなんとなく
うーん。。。
この時は一人でいった。叔母と行くと多分反対されるような気がしたからだ。
“うーん、ちょっと違うかナァ??もうちょっと大人になってからの方が…こっちのフラノのジャケットは・?”ってなるような気がした。。。
かなり、かなり着込んだ。。
今、体形が変わって着れなくなったが、それまではクタクタになるぐらい着込んだ。。
18歳の冬に買ったモノだ。。今から22年前。初めてジャケットを買うために、バイトで何日かかけて貯めた虎の子の5万円を握って百貨店へ行った。バブル初期!!景気が良い事もあり。今の様に婦人服に売場が占領されていなかった時代だ!
それぞれのブランドがブース毎にショップを構え、お金をかけたディスプレイに凝っていた!
探す??なんて時間はなかった。。。紳士服売場に入った瞬間、目に飛び込んで来た!!
いや、私を呼んだ!!
おぉ!これや!
値段を見る。6万円。
足りない。。どころかバイト代全部かぁ??うーん…高い。。。
でも腕を通す。。良い!!!
これ買う!!明日お金持ってくるから。。母親にせがみ工面した。
18歳にしては今から思うと、高価でもあるし、滋味な生意気な選択であった。。。
が、なぜかこれしかないとキメた。。
これがいい!大のお気に入りになった。。
叔母も“いいねぇ”って誉めてくれた。。
あー…似合ってるかどうかはこの際別問題だ…
おそらく、いや、確実に“お父さんの??”というような恰好だったであろう。。。
白洲次郎も言っているが、イギリスの伊達モノ達はツイードのジャケットを雨ざらしにしてでもクタクタにして着こなす!!
確かだ、買ったばかりのツイードなんて、貸衣装のようでサマにならない。すこしシルエットが崩れ、丸みが出てくる位が、実に洒落ている。。。
しかし本当は、それだけの時間をかけて男を磨かないと似合わないのだ。。
中身が負けてはお洒落でもなんでもない。。服の中で泳いでいるだけである。
今、コイツを見ると、確かに時間がたてばたつほど“味が”出ている。。。
そしてこれが一番大事であり、改めて感心したのだが
“今見てもおかしくない!”流行などとは遠い存在ではあるが、ちゃんと時代の匂いを吸収してドシッと変わる事なく“生き続けている”。。。
急流の中に何百年も変わる事なくドシッと佇む巨石のように。。。
流行を枯葉の如く左右に掻き分け!
誰かが言っていた。。。
一番流行遅れで古い物は
去年流行ったものだ。。。。。と
そんな激しいレースからは何時しか遠く離れてしまった。。
箪笥を明ける度に、コイツ、、、うーん、、、と長い時間見つめてしまう。。
よく、子供が親から“整理しなさい!”と部屋を片付けるように言いつけられる、嫌々始めるが、手に取った漫画に見入ってしまい、片付けが後回しになるような・・そんな瞬間が箪笥を明ける度に私には訪れる。。
うーん。。コイツとさよなら???
できない。。。
今、私にとって流行のお洒落など
マラソンに例えると、先頭からは遠く離れ、姿すら見えない。。
しかし、リタイヤしたわけではない!
このツイード!
捨てるのはやめよう!

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