2005年08月06日(土)
乾坤一擲 
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そして今年は終戦から60年目にあたる。
雑誌/TV等メディアでもこの事は、かなり取り上げている。
戦争を知らない世代という言葉すらも微かなものになっているのではないだろうか。
戦艦大和乗組員の生き残りの方が、あと10年すれば戦闘員そのものがほとんどいなくなり、生きた証言が無くなっていくと仰っていたが、確かに現在でも75歳以上の方が実際の戦闘に加わった人で、かなり存命者が少なくなっているのは否めない。
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私などは学校教育の一部分と多少の戦争経験者の話と、修学旅行での広島・長崎訪問位しか戦争に対しての接触はない。もちろん独自でいろいろな本や雑誌の記事等は読んだが自慢できるほどのものではない。
もうすぐ40歳の私でそうなのだから私より下の世代も推して知るべしである。ましてや
私どもの子供に至っては関が原の戦いと同次元の歴史的出来事の一端でしかないだろう。
私は祖父の記憶がまったくない、物心つく時分には父方母方ともに亡くなっていた。だから実際の戦争の話は聞いた事がなかった。
しかし十代のころ、それなりに戦争に対して興味が沸き、叔母に戦争時分の実体験を聞きました。今でも記憶に残っているのは、私がなにげなく終戦という情報をどうして知ったのかということを聞いたときの内容です。
京都東山の建仁寺の敷地で叔母は玉音放送を聞いた。大人が多数、ラジオを囲み神妙に聞いていたので、その輪の傍におり同じように聞いていたらしい。しかしまったく内容がわからないので、放送後騒然した雰囲気の中知り合いの大人に内容を確認したところ、日本が負けて戦争が終わったという事だった。叔母は心の中で小躍りしたらしい。理由はこれでゆっくりと本が読めるという事だった。戦時中は空襲があるため、晩は電気を消すか暗幕を貼るかしてとにかく沈黙状態を守らなければならず、本など読めた状態ではなかった。それが終戦になり好きな本が読めるとわかった事は最上の喜びに感じたらしい。そして母親にもその事を知らせようと家へ走った。走ってる途中、叔母は心の中で母も大喜びするだろうと胸を膨らませたらしい。幸い親戚の男性で出征し安否を気遣うものはいなかったが、しかし戦争という災禍が無くなるのは至上の喜びであり、叔母もその吉報を知らせる事によって母親の喜ぶ顔を見たい一心で家に戻った。
玄関から大声で、
「おかあちゃん!戦争おわったでー」その時母親は七輪でなんか焼いていて、振り向きもせず、
「あっそう。良かったね。」とだけ言ったらしく特段の喜びの表情は無かった。
戦争が終わろうが続こうが、今日食べる食事が無い事自体が、主婦にとっては戦時中なのである。戦争で死ぬのも、飢えて死ぬのも、死ぬ事自体は一緒であり、国内にいた特に主婦にとっては玉音放送にて決着するものではなかった。私はある意味でリアルな戦争だと今でもこの話は鮮明な記憶が残っている。
もう一つ強烈な印象として残っているのは、浜松の得意先社長の話である。この社長は“レイテ海戦”の生還者で、自費でその当時の事を本にし出版した筋金入りの帝国海軍軍人だ。
その社長曰く、確実に死ぬつもりだったらしい。
総攻撃を明日に控えた晩、戦友と酒を酌み交わしたらしい。そのときの心情
「君は明日確実に死ぬ若者の気持ちがわかるか!」と強い調子で問われた。
わかるわけがない!があまりの強い調子に押され黙ってしまった。
上官からは、戦力は均衡だ、士気は高い!と何か勝てそうな檄がとんでいたらしいが、翌朝霧が晴れた海上を見ると無数の米艦が取り巻いていたらしい。
あっというまの撃沈、その後記憶が飛び、気づいた時には何かにつかまって海上をさまよっていたらしい。この話も間違いなくリアルな戦争の話だ。
私にとってはこれら二つの話が戦争に対して記憶に残る話であった、3年前までは!
それは3年前研修で鹿児島を訪れた時、時間が余ったので皆で“知覧”に行きました。
そこには“特攻平和会館”があります。行くまで私はただの戦争資料館だと思っていました。
しかし、そこには特攻兵の遺書が陳列してあり、想像を超えるそして息苦しくなるくらいのリアルな戦争がありました。
浜松の得意先社長に言われた、明日確実に死ぬ若者の気持ちは、知覧に行くまで、現代社会に生きる私にはまったく実感としてわからなかったが、
明日確実に“愛する者のため”死んでいった若者の気持ちを、同じ世紀に同じ国民として生れた者として、実感としてわからずとも知らなくてはいけない事に気づきました、
乾坤一擲の志を。。。。

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