2006年08月27日(日)
宇喜多秀家という男 
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関が原敗戦以降、紆余曲折はあるが生き延び、最終的に“八丈島”に流刑となり、そこで50年、84歳まで生きたという武将だ。。。
私はあるときこの武将に強烈な興味を抱いた。
以前このブログの中で、岡山の県民性は江戸時代の統治者である池田藩ではなく、その前の戦国時代の統治者である宇喜多の性質が現代にも色濃く反映されていると書いた。
その代表的な性質の持ち主は秀家の父・祖父であり、謀略の限りを尽くした戦国の梟雄で、ともすれば北条早雲や斎藤道三以上であるかもしれない。
立地上、京都と離れ戦国覇権の拠点としての性格が弱く、あくまで毛利と秀吉が対峙し、全国統治が意味を持ち初めて拠点になり得たところから、戦国覇権ドラマの全国的レベルに登場したため、それまでの宇喜多の所業はさほど周知される事もなく、その恐ろしさの喧伝が後世にも詳細になく、薄くなった帰来があるが、本質的には戦国史上でも稀有な下克上武将であることは間違い無い。
しかし、秀家がそうかというと少し違う。父亡き後秀吉の寵愛・庇護のもと、五大老となり豊臣政権下では隠然たる権力を持ち得たのである。そして家督を継いだのが9歳という少年時代であり、そこから秀吉の近習として帝王学を備えられる。出来あがった彼の姿は、中国地方の梟雄であった父とはまったく違う“貴人”然としたものであった。。
よく戦国ドラマでも登場するが、大抵眉目秀麗な役者が演じ、おぼちゃま気質を反映するかのような激烈な性格を表現したりしている。。
ある意味彼は30歳前後まで栄耀栄華の限りを享受し、歴史の中心人物として活躍していた。
それが関が原の敗戦を期に、急転直下歴史の表舞台から姿を消し、それどころか世捨て人として残りの人生を過ごすのである。
ここまで強烈な人生の反転はあまりないだろう。。
確かに後醍醐天皇も悲しみのうち吉野で崩御されるが、ある意味歴史的な意味をもっていたし、それ意外の歴史上失脚した人物にしても、大抵その時点で死を選んだりする。
自身の人生哲学、とくに武将という性格から考えても秀家の選択は他とは大きく違う。
遠島時点で恐らくお家再興は断たれたという結果であったはずだし、自分の生きる意味が無くなったと考えるのが、この時代の武将としては自然だろう。。。
しかし彼は生き長らえた。生き長らえたどころか、当時の平均寿命からすると、倍近い年月を生きた事になる。
そこが私にとっては最大の興味のポイントである。
30歳で失脚、そのご50年絶海の孤島で過ごす。
彼の人生という観点考えると、明かに50年生きた孤島の生活こそが彼であり、その前半は彼にとっては人生という時間で考えると僅か三分の一くらいしかない。
ある意味後半生から前半を見ると“夢幻”程度でしかない。それは“浦島太郎”のような。。
何故彼は死を選ばなかったのだろう?
傅く家来もなく、罪人として、栄華を誇った30年の人生の倍近い時間をどのように過ごしたのであろう??
何故、生きる事に執着したのだろう??
執着したのだろうか??流れの中に身を漂わせただけだろうか??
果たして幼少から帝王学を身につけたものが、そういった達観した考えを持ち得たかは少々どころか大いに疑問がある。。。
しかし、品性下劣な生への執着という汚らしさも感じないし、ある種の誇りが、不思議にもある。。
生きている時間ってなんだろう?と考えると
結局、今という実感を得ることができる時しかない。
今意外の過去や未来など、ある意味ないのではないだろうか?
確かに史実として残ったりするが、結局自分の実感からは遠く離れた“夢”でしかない。
未来にしてもそうだ、なんらの実感はない。
あるとすれば、どういった考えをもって夢想するかだけである。そういう意味ではやはり夢でしかない。
以前聞いた事があるが、茶の世界で“夢”は死を意味するらしい。
それは少しだがわかるような気がする。。
秀家の哲学は知り得ないが、私はこの絶海の孤島にての50年は、他の武将にはない独特の哲学が存在したんじゃないか?と今でも深い興味を持っている。。
事実、何故かわからないが、明治になり時の政権が宇喜多を赦免している。
250年後の名誉回復である。。
こんな事にその時点で意味があったのか?疑問だが…
秀家の流刑、そして絶海の孤島で歴史と無関係でありながら生き長らえたからこそ、この赦免には大いなる意味が存在する。。。
そして生きるという意味と誇りを考えさせられる。。

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