2005年11月30日(水)
釣りキチBoys 参 
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やっと秘密の釣り場に到着。
行くのも帰るのも友達同志のグループ、収獲を夢見るのも皆平等。
しかし釣り自体は個人のゲーム。
競争でもある。釣れる子もいれば、釣れない子もいる。全員釣れない事もある。
しかし連帯で結果を得るものではない。
目聡い近隣のチビッ子は、この場所を察知しており、到着すると数名のグループが存在していた。しかし明かに秘密の釣り場然としており、子供心に緊張が走った。。。
確かに“居そうだ!”
いよいよスタート。
何投もルアーをスローイング。しかしまったくヒットはなかった。
ある意味釣りも才能である。道具の優劣ではない。独特の嗅覚が必要で、俊敏な反射神経と感性が必要である。ここにハッきりしない実力の差と運の違いが存在するのだが、子供にはそんな事皆目見当もつくはずもなく、我こそはと貪欲に獲物に向かって行く。。
一時間後、M君に“ヒット”!!!
「きっ、きたぁー!!うぁあぁあぁぁぁ!!!」
皆おどろきと興味で走って行く。。
「ほっほんまや!ごっついんちゃうかぁ!」
M君。。
「。。。。。。。。。。」
竿がしなり、リールを巻く。数分後一気に釣り上げる。
見ると“ナマズ”だ、なんと50cm以上ある。
「うわぁ!ナマズやん!ごっつうぅ!ええなぁ!」
と集まった我々全てが羨望の眼差し!立派なひげを生やしたナマズが、口をパクパクさせ草の上に横たわっていた。。
当時確か“スピナー”と呼んでいたルアーでイヤリングみたいな形状、本にはマスなんかのサケ化向きと書いていた。
釣り上げたM君は自慢げだった。
俄然みんなの気持ちが、俺も!と一気に盛り上がった。
“くっそぉー!次は俺や!もっとデカイの!”
しかしその後まったく誰のロッドにもヒットはなかった。
悔しいから、誰も帰ろうとは言わなかったが、いよいよ薄暗くなり
「なぁ、帰ろかぁ。。。」
「うん。。」
と皆、しょんぼり帰路に着いた。
帰ると皆、M君の家までついていった。M君は釣った大きなナマズを“大きな水色のゴミ箱”に入れた。皆で覗きこんだ。
「おおきいなぁ」
「うん。」
その後何回か秘密の釣り場に行ったが、結局私は釣れなかった。
そして何時の頃からかブームは沈静化し、個人として趣味になるものもいれば、それっきりの者もいた。私はどちらかと言うと後者で、その後釣りに対しての興味をもったまま忘れて行った。
数年後、確か高校生だったと思う。ある休日の朝、家の裏に探し物を取りに入った時、フッッと竿が目に入った。“あっ!子供の時分のや”と懐かしさもあり当時の一式を引っ張り出した。
“あのころヘタクソで全然釣れんかったなぁ。。”
なんとなくフッと思うところがあった。
“あの秘密の釣り場、今も昔のままやろか?”
“いってみよ”
と何故か突如決断し、当時のままの道具をもって一人向かった。
到着すると昔のままだった。当時と一緒でチビッこ達が一生懸命に釣っていた。
違うのは私が大きくなったのと、道具だ。
道具はそのころには昔と違い洗練されたものになっていた。
しかし、やることの本質に変わりはない、気にせず昔の道具で釣り始めた。
昔と一緒、全然ヒットなし。。。“突然うまくはならんわなぁ。。はぁ。。”
でもなんか、懐かしさに浸りながら漠然と続けていた。不思議だった、なんの必然性もなく
突如釣りにでかけ、釣りをしている自分に。。“なんでやろぉ?”
突如、手元に“グッ”と重みがはしった。
“あれっ?何かに引っかかったかなぁ?”
と次の瞬間、グッグッとひっぱる感触、間違いなく生物が引っ張っていた!
“きっ、きた!”
慌ててぐるぐるリールを巻くと糸の先端に20cm位の魚が見えた。
“あっ、釣れてる!”
引き上げるとナマズだった。気づくと周りにチビッこがまとわりついていた。
「にいちゃん凄いなぁ!ナマズやん!」
「。。。。。。。」
少し照れる。。
「ああ。。そうやな!」と釣り慣れたようにカッコをつけるが、内心、
“やっやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!”
しかし持ってかえる訳には行かず、しばらく眺め戻してやった。当時M君が釣ったナマズの半分以下のサイズで小さかったが、嬉しかった。
“なんで、あの時、釣れてくれへんかったんかなぁ。。”
“いや、なんで釣り、続けんかったんかなぁ?楽しいのに。。”
“100回いや万回試して99%駄目でも、1回の成功がこんなにも楽しいとは!”
すこし勉強になった。。。
釣りキチ三平で終始一貫した論理がある。“釣り人短気論”だ。
釣りの上達者は短気者、常にどうやったら釣れるか“せかせか”と試行錯誤を繰り返す。のん気な気長者では上達しない。しかし短気といっても投げ出す短気ではない。
今、なんでこんな事を懐かしんでいるんだろう?
実は今も釣りをしている。
魚を釣っているわけではないが、仕事という釣り糸を世間に垂れている。
何回も何回もスローイングしている、大物がウジャウジャいそうな釣り場を求めて!
せかせかと、失敗ばっかりだけど。。。。

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