2005年07月17日(日)
花形敬のスカーフェイス 
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スカーフェイス。
愚連隊である。
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最初に彼の存在を知ったのは、20歳だったと思う。
きっかけは本田靖春の「疵」という本だった。彼は実録物として東映で3度映画化されている。最初は菅原文太、2回目は陣内孝則、3回目は哀川翔である。
戦後の混沌とした時代、既成の権力が瓦解し新興の勢力が台頭した時代に、やくざや暴力の世界も、新しい波が全国であったみたいだ。特に首都・東京では凄まじい抗争で権力争いが繰り広げられており、既存の博徒・香具師がこの愚連隊に駆逐され、花形敬もその渦中に身をおいたひとりであった。しかも彼らの多くは大学中退で英語を駆使し進駐軍よりマシンガン・ピストルを仕込み連戦連勝街道を突き進んだ。当時インテリヤクザという言葉が当てはめられた。しかしやくざではない、愚連隊であった。
一般にはこの時代(戦後~昭和30年代)の愚連隊で有名なのは、渋谷を抑えた頭目の安藤昇と新宿を抑えた加納貢なのだが、なぜか私はこの花形敬に惹かれた。
花形敬の詳細は「疵」を読んでもらえばいいのだが、客観的には腕っ節が強い青年というだけである。しかしその腕っ節が伝説になるくらい半端じゃなかった。
彼は自分の事を「はながたけぇ(鼻が高ぇ)」と言っていたらしい。その通り喧嘩はすべて
真っ向勝負の素手ゴロ(素手の勝負)だったらしい。それは本職になっても変わらないスタイルだった。ずばぬけた体力で都内でもその名が“鳴り響いていた”らしい。
あの麻雀放浪記の色川武大も、その存在を遠巻きに見ていたらしい。
彼の伝説を大きくしたのは、組内の憎しみを買い、抗争でピストルにて2発撃たれたが病院に行く事もなく治癒させた不死身伝説と、なによりも当時絶頂だった力道山と一対一で睨み合い1歩も引かず、力道山を屈服させた凄みである。それ以外も彼の強さを上げれば枚挙に暇が無い。
私が彼に興味を持った最大の理由は、彼の人生もそうだが、肖像をみたいという1点だった。
どんなやつなんだろう?これが一番の理由でした。
過去に3枚の肖像を見た事があった。すべて雑誌に掲載されたものだ。最初は殺害された新聞記事、後の2枚は宴会場の姿と海水浴でのスナップだった。しかしイメージを満足させてくれるものではなかった。
その後もインターネットや様々な所で調べたが見つかりませんでした。インターネットの掲示板で東京のどこかにニュース映像が残っていて閲覧できるという事を知ったが、到底行く事もその場所もわからずそのままになっていました。
ある時偶然にもその機会が訪れました。深夜の「R30」という番組でした。番組内の企画
「アウトロー列伝」でナビゲーターは突破者・宮崎学でした。
約20年近く探していた肖像が映像でながれました。
白黒でしたが、左頬には大きな“疵”が確認できました。ダブルのスーツにソフト帽。カメラに対して斜に構え、実にスタイリッシュであった。
「この人がそんなに強かったのかなぁ?」
番組内には花形敬と遊んだという放送作家の高田文夫も出ていた。優しいお兄ちゃんだったらしい。
宮崎学は、花形の美学は素手ゴロにあったといっていた。武器を使う喧嘩は憎しみの連鎖を生むが、花形の求めたものは少し違ったんじゃないかという事だった。
安藤昇も繊細な字を書くナイーブさがあったと言っていた。
戦後の価値変革のなか彼は何に吼えていたんだろう?皆が愚連隊から既存のやくざ、そして経済性を身につけて行くなか、いつまでも愚連隊であろうとしていたような彼。本当に私が知りたかったのはその事じゃないかと映像を見た後考える様になった。
安藤昇が逮捕され以前の勢いが無くなった組織を、組長代行として組織を守ろうと思った直後に彼は刺殺された。しかも刺殺されたのは、渋谷ではなく逃げ隠れていた神奈川県川崎の河原だった。
天下無双の素手ゴロ師の最後だった。
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「なんで逮捕されるのかわからないね!逮捕状でてねえかんね俺!!!」 と扇子を片手にコメントしています
花形ファンの私ですがjuncaさんのお陰で写真見ることが出来て 積年の思いが叶いました ありがとうございました。・・・花形 圭